2020 Fiscal Year Research-status Report
Impact of behavioral sexual dimorphism and fetal endocrinological status on establishment of bladder and bowel control in children
Project/Area Number |
20K09516
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
守屋 仁彦 北海道大学, 医学研究院, 客員准教授 (20374233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 雅史 北海道大学, 大学病院, 助教 (40802799)
中村 美智子 北海道大学, 大学病院, 助教 (60571718)
篠原 信雄 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90250422)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 排泄の確立 / 脳の性分化 / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成22年より行われている環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の追加調査として、我々は胎児期の環境化学物質曝露が性分化・性腺機能に与える影響について調査を行っており、児の性分化に影響を与える可能性のある妊娠中の母体の環境化学物質曝露の評価と新生児期および3歳時での身体的性分化や脳の性分化に対する影響を検討してきた。さらに3歳時の調査にて行動の性差を評価する性役割傾向尺度(PSAI)と排泄の確立についての実態についてのアンケート調査が回収されている。性役割傾向尺度(PSAI)は脳の性分化の指標として児の指向や行動を数値化し男性的であるほど数値が高くなるように作成されている。 そのアンケート調査から昼間の排尿の確立について男女差があり女児で確立が早いこと、女児において昼間の排尿が確立している児では確立していない児に比較してPSAIの値が低く、より女性化していることが判明した。母の出産時年齢や出生時体重、妊娠時の喫煙・飲酒の有無や兄/姉の有無、調査時月例で調整しても中間尿失禁がある女児では優位にPSAIの値が高かった。次いで中間尿失禁の頻度を週4日以上・3日以下・なしの3群で比較すると、女児において失禁頻度が上がるほどPSAIの値が高かった。ある頻度は男児で高かった。多変量解析を行ってもこの相関は有意であった。このようなPSAIと中間尿失禁の関連は男児では見られなかった。 これらの結果から女児においては脳の性分化の日中の排尿の確立と相関を見ることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、1600組の母児に対して妊娠中からの追跡調査を行ってきており、妊娠中の母体尿・臍帯血などの検体の保管とともに現在までに3歳時の調査にて脳の性分化に対するアンケートともに排泄の確立についての実態についてのアンケート調査が回収されている。アンケートは988例より回収され(回収率65.7%)、これらを数値化するとともに児の背景として両親の情報・家族の情報・出生時の情報を整理してデータベース化を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
完成したデータベースをもとに、夜間の排尿の確立・排便の確立について検討を行い脳の性分化との相関を検討する。 また、臍帯血を用いてエストラジオール(E)・テストステロン(T)・プロゲステロン(P4)、黄体形成ホルモン(LH)・卵胞刺激ホルモン(FSH)・性ホルモン結合グロブリン(SHBG)およびプロラクチン(PRL)インヒビンB、INSL3の測定を行い、PSAIとの関連および排泄確率との関連を行う。 さらに臍帯血からDNAを採取し、ステロイドホルモン受容体や代謝酵素などの遺伝子多型についてゲノムワイド関連解析(Genome Wide Association Study;GWAS)を用いて網羅的に解析する。臍帯血中のホルモン濃度や脳の性分化、排泄の確立に関連する遺伝子多型群を同定する。
|
Causes of Carryover |
COVID19の流行により様々な学会が中止や延期、Web開催となったため出張費の支出が減ったことから次年度の使用額が生じた。これらはWeb会議を行うための機器をそろえるために使用するとともに化学物質の測定や遺伝子多型の解析に用いる予定である。
|
Research Products
(5 results)