2022 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋由来マイオカインによる臓器連関を標的した排尿筋低活動の新規創薬研究
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20K09538
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
馬嶋 剛 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90625138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 浩二 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (10595515)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フレイル / マイオカイン / 高齢者 / 排尿筋低活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
54週齢のSAMP8マウスの内転筋に、マイオネクチン遺伝子、またはgreen fluorescence protein(GFP)遺伝子を搭載したアデノウイルスベクター(1×109 pfu)を投与した。 内転筋及び血中におけるマイオネクチンの発現量をRT-PCRやウェスタンブロットにより解析を行った。マイオネクチン遺伝子を搭載したウイルスベクターを投与した群(マイオネクチン群)において、GFP遺伝子を搭載したウイルスベクターの投与群(GFP群)より、内転筋及び血中におけるマイオネクチンのmRNA及びタンパクが有意に増加していることが確認された。HE染色では、マイオネクチン群は、GFP群と比較し、平滑筋層の面積が有意に増加していた。マッソントリクローム染色では、マイオネクチン群においてGFP群と比較し、膀胱の線維化が有意に少ないことが示された。膀胱内圧測定の結果、マイネクチン群は、GFP群に比較し、排尿効率の有意な高値、及び残尿量の有意な低下を示した。最後に、膀胱血流の評価を2D レーザー血流計を用いて行った。マイオネクチン群はGFP群に比較し、有意に膀胱血流の増加が認められた。 また、臨床研究では、症例の組み入れ数が少ないが、初期評価の時点での体組成計による骨格筋量と尿流動態検査定上のBladder contractility index(BCI)の間に相関関係がある傾向が見受けられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究において、症例数の組み入れに遅れを来している。フレイル高齢者に運動療法の介入をしやすい症例が少なく、組み入れに時間を要している。 このまま組み入れができない場合、初期評価の時点でのフレイルと膀胱機能の関係について解析を行う。つまり、握力や下腿周囲長、簡易フレイルインデックスと、BCIや排尿効率の間の相関関係について解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、症例のリクルートに尽力するが、このまま組み入れができない場合、初期評価の時点でのフレイルと膀胱機能の関係について解析を行う。つまり、握力や下腿周囲長、簡易フレイルインデックスと、BCIや排尿効率の間の相関関係について解析を行う。
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Causes of Carryover |
膀胱のELISA検査や、TUNEL染色、organ bath studyが未施行であるため、その試薬の購入費を次年度持ち越しとした。またコロナ流行により、国際学会や学会参加ができておらず、その旅費についても次年度持ち越しとした。さらに、論文発表にも至っておらず、英文校正費用などの経費についても次年度持ち越しとした。
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