2020 Fiscal Year Research-status Report
To elucidate the pathophysiological mechanism and explore the therapeutic target of underactive bladder / detrusor underactivity with focusing on the adenosine signaling pathway
Project/Area Number |
20K09548
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
高岡 栄一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (50625340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 崇宏 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40626892)
根来 宏光 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80708595)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 低活動膀胱 / 骨盤神経損傷 / ラットモデル / アデノシン受容体 / アンメットメディスン |
Outline of Annual Research Achievements |
低活動膀胱は近年提唱され、生命予後にも直結した重要な疾患概念であるが、病態生理は不明であり確立された治療法は存在しない。本研究では、我々が先行研究から得た知見をもとに“低活動膀胱では発症早期から膀胱粘膜上皮や筋層におけるアデノシン受容体シグナルのmodulationが生じることで膀胱リモデリングが進行し、膀胱線維化ひいて非代償性膀胱機能不全に至るのではないか”という仮説をたてた。我々が新規確立した骨盤神経損傷による低活動膀胱モデルラット(Pelvic Nerve Crush rat: PNC rat)の長期経過観察における膀胱線維化、アデノシン受容体発現変化ならびに薬物介入効果を評価することで、低活動膀胱の病態生理解明、新規治療法開発を目的とする。学術的な問いは「アデノシン受容体シグナルが膀胱リモデリングに関与するか」という点である。初年度では動物実験モデル作成ならびに膀胱機能測定環境、RTPCRの準備をすすめた。その結果再現性をもってPNCラットの作成に成功し、検体のストック、パネル作成を進めるに至った。 PNCラットの膀胱内圧測定ではシャムラット群とくらべ、排尿間隔延長、排尿筋収縮圧の低下、NVCの増加等の、低活動膀胱としてのフェノタイプを再現できた。次年度では作成した検体パネルをもとにRTPCRをすすめていきその結果をもとにアデノシン受容体アゴニスト、アンタゴニスト膀胱内注入による治療効果の解析を進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験のための機材も整い、試薬、実験用具の整備もすんでいる。シャムラットの膀胱機能をCMG測定し、再現性をもって確実に測定できることを確認した。さらに本研究の中核をなす骨盤神経損傷ラットの作成も行い、CMGで排尿筋低活動であることを証明できており、コントロールデータの収集、集計も順調に行われているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
シャム群、骨盤神経損傷群の膀胱内圧測定を継続しコントロールデータ収集を継続する。PCR試薬をそろえ、両群の 膀胱粘膜、膀胱筋層検体を採取、ストックしアデノシン受容体サブタイプの発現比較をRTPCRにて行う。 その結果を踏まえアデノシンサブタイプのアゴニストもしくはアンタゴニストの膀胱内注入を行い治療効果を評価する予定である。
|
Causes of Carryover |
学会の現地開催が中止となり、学会旅費が不要となったため。
|