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2020 Fiscal Year Research-status Report

Single-cell RNA-seq reveals details of BCG-refractory bladder cancer

Research Project

Project/Area Number 20K09549
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

丹羽 直也  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (40626743)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大家 基嗣  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00213885)
三上 修治  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20338180)
田中 伸之  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60445244)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords膀胱がん / BCG膀胱内注入療法 / がん免疫療法 / シングルセルRNAシークエンス
Outline of Annual Research Achievements

細胞形質を変化させる新たな遺伝子変異や、酸化ストレス、低酸素刺激など、がん微小環境が促すエピジェネティック変化が腫瘍内で不均一に生み出され蓄積することでがん組織内に生物学的多様性をうみだす、いわゆる腫瘍内不均一性(intratumor heterogeneity, ITH)ががん治療抵抗性の一つの要因として注目を集めている。表在性膀胱がんに対するBCG膀胱内注入療法は主に免疫細胞を介して抗腫瘍効果を呈することが知られているが、未だその詳細な機序は明らかではない。従って、現時点ではBCG抵抗性という概念は存在するものの、実際の分子機構の詳細は不明で、これがBCG抵抗性膀胱がん克服の最大の障壁となっている。このBCG抵抗性膀胱がんを克服する新規アプローチとしてITHに着目した。本研究では1細胞毎のトランスクリプトームを網羅的に解析するシングルセルRNAシークエンスを用いてBCG抵抗性膀胱がんのITHを解明し、BCG抵抗性に寄与する治療標的を1細胞レベルで明らかにすることを目的とした。膀胱がんに対するBCG療法は、膀胱内局所免疫の修飾作用を有するため、宿主由来の腫瘍内免疫細胞も含めて包括的に解析することが、BCG治療抵抗性を理解する上で重要と考えた。そこで、我々は正所性膀胱がんモデルマウスを用いてBCG治療前後のトランスクリプトームの変化をシングルセルRNAシークエンスで解析すべく、プロトコールの確立を試みた。その結果、本来の腫瘍微小免疫環境が再現されている正所性膀胱がんモデルマウスから腫瘍細胞および免疫細胞を生きたまま1細胞として回収し、シングルセル解析が可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

正所性膀胱がんモデルマウスに対するシングルセルRNAシークエンスの適応に際しては、腫瘍塊から腫瘍細胞をはじめとして目的の細胞を生きたままシングルセル化、ソーティングし、1細胞として効率よく回収する必要があるが、これまでに確立されたプロトコールは存在しない。2020年度はこの新規プロトコールの作成・改良に従事した。マウス膀胱がん細胞株MBT-2に緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を導入したMBT-2GFP+を樹立し、C3H/H3マウスの膀胱内へ同種正所性に移植して正所性膀胱がんモデルマウスを作製した。このモデルマウスは、マウスへの経尿道的操作が可能であり、臨床に即したリアルなBCG膀胱内注入療法が再現できる。モデルマウスから腫瘍が生着した膀胱を採取し、MBT-2GFP+を含むシングルセル懸濁液を調整し、fluorescence-activated cell sorting(FACS)を行いMBT-2GFP+を生きたまま1細胞毎に回収することに成功した。このモデルマウスの膀胱から調整したシングルセル懸濁液にはMBT-2GFP+のみならず宿主由来の免疫細胞も含まれており、細胞表面抗原CD3, 4, 8, 45に特異的な蛍光標識抗体を用いてこれら免疫細胞に関しても1細胞毎に回収できた。この一連のプロトコールの開発は最新のMulti-Application Cell Sorter MA900およびICELL8 cx Single-Cell Systemを保有する東京大学医学部附属病院免疫細胞治療学講座と共同で行った。今回我々が確立したプロトコールは正所性膀胱がんモデルマウス以外の、他の担がんモデルマウスへの応用可能性があり今後のがん研究への波及効果も期待できる。

Strategy for Future Research Activity

2020年度はBCG治療が誘導するITHおよび腫瘍免疫微小環境の解明に必要なモデルマウスの作成を含むプロトコールの確立に従事した。東京大学医学部附属病院免疫細胞治療学講座と共同で行い、同教室が保有する最新のMulti-Application Cell Sorter MA900およびICELL8 cx Single-Cell Systemを使用することで、モデルマウスの作成~腫瘍細胞および免疫細胞を生きたまま1細胞毎に回収するまでの効率的なプロトコールを確立した。2021年度はこのプロトコールを最大限に活用して正所性膀胱がんモデルマウスのBCG治療群と未治療群からそれぞれ腫瘍細胞、CD3, CD4およびCD8で蛍光標識したT細胞、およびCD45で蛍光標識した免疫細胞を回収、シングルセルRNAシークエンスを行う予定である。さらにBCG抵抗性膀胱がんに対してBCG膀胱内注入療法と様々な免疫チェックポイント阻害薬併用の各種臨床試験が盛んである現状を踏まえて、正所性膀胱がんモデルマウスにBCG膀胱内注入療法と抗PD-1抗体を併用した群においても腫瘍細胞および免疫細胞のシングルセルRNAシークエンスを行う。本研究で用いるモデルマウスは本来の腫瘍免疫微小環境が再現されていること、経尿道的操作が可能であり臨床に即したリアルなBCG膀胱内注入療法が再現可能であること、といった従来のモデルマウスにはないメリットを有していることから、本研究で得られる結果はがん免疫で不可欠な腫瘍内免疫浸潤の多層的なシングルセルデータを提供し、社会で利用可能な研究基盤(リソース)に成り得る。

Causes of Carryover

本年度は新型コロナ感染拡大による影響に伴い研究計画に若干の遅滞が生じ、その結果今年度に予定していたシングルセル解析が次年度にずれ込んだ。本年度の助成金と合わせてシングルセル解析に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Reduced recurrence of low‐risk non‐muscle‐invasive bladder cancer is associated with low urine‐specific gravity2020

    • Author(s)
      Iwasawa Tomohiro、Niwa Naoya、Matsumoto Kazuhiro、Komatsuda Akari、ide Hiroki、Oya Mototsugu
    • Journal Title

      International Journal of Urology

      Volume: 27 Pages: 1019~1023

    • DOI

      10.1111/iju.14351

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-12-27  

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