2020 Fiscal Year Research-status Report
腎細胞癌における脂肪由来幹細胞の役割の解明と新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
20K09553
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
沼倉 一幸 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (90566415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 英雄 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (10431785)
小林 瑞貴 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (20838627)
武藤 弓奈 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (60837706)
松峯 元 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80598144)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / 脂肪由来幹細胞 / PI-3K |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪由来間葉系幹細胞(A-MSC)は、腫瘍微小環境の主な供給者として知られている。しかし、腎細胞癌(RCC)におけるの役割はほとんど知られていない。 RCCにおけるA-MSCの重要性を明らかにするため研究を行った。 A-MSCは、RCC患者(RCC-MSC)およびコントロールとして腎移植ドナー(Donor-MSC)の腎周囲脂肪から分離のうえ培養した。A-MSCの幹細胞特性を確認し、 6つのRCC細胞株をA-MSCと共培養し浸潤能を測定した。 RCC-MSCとRCC細胞の両方で活性化した分子経路を評価した。 浸潤能の測定では、遊走した腫瘍細胞の数はドナーMSCよりもRCC-MSCの方が有意に多かった。生物学的経路のスクリーニングで、mRNAではHes1、Hey1、Twist、タンパク質ではベータカテニンが高発現しており、これらの結果から、RCC-MSCがDonor-MSCよりも幹細胞性が高いことを示唆していた。一方、AKTのSer473残基のリン酸化は、Donor-MSCと比較してRCC-MSCと共培養したCaki-1で有意に亢進していた。これらの分子の刺激は、腫瘍細胞の浸潤能力の増加を説明する可能性がある。 RCC-MSC細胞とRCC細胞の共培養で腫瘍の浸潤能が亢進した。 A-MSCと腫瘍の相互作用は、A-MSCの幹細胞性を刺激し、PI3K / AKTシグナル伝達経路によるRCC浸潤を促進する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに幹細胞と腫瘍細胞で標的となりうる分子が同定されており、順調に進行している
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Strategy for Future Research Activity |
今後、幹細胞と腫瘍細胞それぞれの分子の阻害またはノックダウンを行う予定である。
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Causes of Carryover |
脂肪由来幹細胞側での標的分子の同定が年内に達成できなっかたため、次年度使用が生じた。来年度は、β-cateninのshRNAノックダウンを計画しており、次年度使用分も合わせて使用する予定である
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Research Products
(4 results)