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2021 Fiscal Year Research-status Report

Development of novel treatments for chronic kidney disease with biofabricated cell sheets

Research Project

Project/Area Number 20K09556
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

道面 尚久  信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (90750878)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 今村 哲也  信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (00467143)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords慢性腎臓病 / 細胞シート工学 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 凍結傷害 / ラット
Outline of Annual Research Achievements

慢性腎臓病は、新たな国民病と位置づけられる疾患である。腎不全に至った場合の治療としては、透析療法や腎移植などの腎代替療法が挙げられるが、解決すべき課題が山積している。本研究は、慢性腎不全への移行段階での病期ステージの進行を抑制して、正常な腎機能へと回復させることを目的とした新規治療開発を行う。
これまでに、自己脂肪組織から採取した間葉系幹細胞と細胞の足場素材としてのゼラチンシートを組み合わせた積層型デュアル間葉系幹細胞シート(以下、積層細胞シート)の作製条件を確立した。また、腎動静脈をクランプして、腎臓に凍結傷害を与えて腎機能を低下させたラット腎不全モデルを確立した。
今年度は、凍結傷害を与えた腎臓の腎被膜を剥離して、積層細胞シート移植、無細胞シート偽移植(対照群)を行った。術後2,4週目の尿中タンパク、血中クレアチニン、尿素窒素などの腎機能の評価を行った。その結果、積層細胞シートをパッチ移植すると、偽手術を行った対照群と比較して経時的な血中クレアチニンの増大などの腎機能低下が抑制される傾向を確認した。また、組織学的解析において、積層細胞シート移植による糸球体収縮などの腎組織傷害が抑制していることを確認した。
この成果を踏まえ次年度は、積層細胞シート移植による治療効果の機序を解明するために、各群の腎組織に対して、免疫組織染色などの組織学的解析を主とした解析を進める予定である。以上の研究を通して、積層細胞シートを利用した慢性腎臓病の新規治療開発研究における重要な基盤を築く実験を進める。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、実験動物数を増やすため昨年度に確立した一連の実験過程を繰り返し実施した。移植1週間前に、右腎周辺の脂肪組織を採取して、右腎を摘除した。採取した自己脂肪組織から初代培養によって脂肪由来間葉系幹細胞を回収した。続いて、細胞標識を行った後、温度応答性培養皿に播種、継代培養を経て、シート状になった脂肪由来間葉系幹細胞をゼラチン繊維基材で回収した。それを2枚積層したものを積層型デュアル間葉系幹細胞シート(以下、積層細胞シート)とした。また、移植1週間前に、細胞を採取したラットに対して、残った左腎に対して、腎動静脈をクランプして腎門部周辺に液体窒素を60秒噴霧した。室温下で凍結部位が融解した後、腎被膜を慎重に剥離して、ポケット状のスペースを作り、積層細胞シートを差し込み、腎臓へのパッチ移植(自家移植)を行った。また、ゼラチン繊維基材のみをポケット状のスペースに差し込んだものを対照群とした。
移植2,4週後、血中クレアチニンの経時的な変化から積層細胞シート群は、対照群と比較して腎機能増悪が抑制される傾向を確認した。
現在、積層細胞シート移植による治療効果、および、腎機能回復の機序として、腎組織傷害の改善について組織学的解析を行っている。以上から、本研究は、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、積層細胞シートのパッチ移植による腎機能の増悪の抑制が確認できた。その機序として、積層細胞シート移植によって、糸球体の収縮抑制などが確認できた。したがって、次年度は、糸球体、尿細管などの腎組織に対する組織学的解析を中心とした評価により、腎機能回復における機序をより詳細に検討する。また、実用化技術へ向けた基盤の構築を進める。

Causes of Carryover

消耗品に関して、当初見込んでいた価格よりも安価に購入できたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、令和4年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 信州大学医学部 泌尿器科学教室

    • URL

      http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/urology/index.htm

URL: 

Published: 2022-12-28  

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