2020 Fiscal Year Research-status Report
Ureter regeneration using bioabsorbable two-layered scaffold with a newly developed gel material to prevent urine leakage
Project/Area Number |
20K09558
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
吉田 哲也 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60510310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 常人 滋賀医科大学, 医学部, 技術補佐員 (70838458)
萩原 明郎 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (90198648)
河内 明宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90240952)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 尿管再生 / 尿路再建 / 泌尿器科学 / 再生医学 / バイオマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸管を用いない新たな尿路再建方法を確立するために、代替尿管組織に対して、尿管上皮層と筋層を持ち、正常の尿管構造と排尿機能的にも良好な尿管を、生体吸収性の2層性足場材料と脂肪由来幹細胞(ADSCs)、さらにはP(LA/CL)不織布と化合物Xを用いて再生することを目的としている。本年度では、2層性の生体吸収性尿管チューブの作製及びADSCsの採取と不織布-化合物Xの調整を中心に行い、予備的に尿管チューブをイヌの尿管に対して代替として置き換えた。まず、2層性の生体吸収性尿管チューブはエレクトロスピニング法にて内層を数μmと細かい繊維間隔で、外層を数十μmほどの広めの繊維間隔で作製した。脂肪由来幹細胞は、イヌの臀部皮下から採取し、脂肪組織の分離を行い間葉系幹細胞マーカーにてその分化状態を確認した結果、CD29陽性、CD11b、CD31、CD45陰性であった。最外層は、メルトブローで作製したP(LA/CL)不織布および細胞外マトリックスとして作用する化合物Xを組み合わせ、全層の尿管チューブを作製した。この尿管チューブを現在予備的にイヌの尿管と置き換え、その予後を確認中である。今後は、尿管造影検査や組織学的評価を行うことで、この尿管チューブに狭窄等無く、尿管組織の再生が起こっているかどうかを確認する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2層性尿管チューブ及びADSCsの採取やP(LA/CL)不織布と化合物Xの調整は、順調に進んでおり、イヌの予備的な尿管吻合手術においても、尿溢流無く、尿管チューブを吻合することが可能であった。本年度の検討では、2層性尿管チューブをエレクトロスピニング法でまず作製し、SEM撮影で2層に形成していることを確認した。採取したADSCsは間葉系幹細胞マーカーで確認したところ、未分化状態の維持したものを採取することが可能であった。また、化合物Xについては、組織形成にとって最適な濃度や形成期間を確認するためにラット皮下埋植実験でその組織形成を確認したところ、最適条件で細胞浸潤や脂肪組織、血管の形成が認められることが分かった。
|
Strategy for Future Research Activity |
生体吸収性2層性尿管チューブ及びADSCsやP(LA/CL)メルトブロー不織布-化合物Xを現在予備的にイヌの尿管と置き換え、その予後を確認中であり、今後は、尿管造影検査や組織学的評価を行うことで、この尿管チューブに狭窄等無く、尿管組織の再生が起こっているかどうかを確認する。狭窄等が認められる場合は、カテーテル留置期間の延長や、尿管チューブ自体の改良を逐一行い、生体内における最適条件の確認を行う必要性があると考えられる。
|
Causes of Carryover |
本年度は、主にマテリアル(2層性尿管チューブ、P(LA/CL)、化合物X)の予備検討が中心となり、動物購入・飼育は数頭に収まったため、次年度使用額が生じた形である。次年度は、特に動物(イヌ)に対して尿管チューブを置き換える本実験を実施する予定をしており、イヌの購入及び飼育費用が多く必要であると考えられ、動物実験に必要な物品類の購入等も次年度以降増えると考えられる。
|