2022 Fiscal Year Annual Research Report
蓄尿障害の主体としての膀胱粘膜下層細胞群の液性因子による制御
Project/Area Number |
20K09564
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋谷 光 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10315905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 信之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30722748)
中森 裕之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60824349)
三井 烈 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (90434092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 副甲状腺ホルモン関連蛋白 / 膀胱平滑筋 / 尿道細動脈 / 神経性一酸化窒素 / BKチャネル / 自発一過性外向き電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
副甲状腺ホルモン関連蛋白 (PTHrP)は、膀胱平滑筋の伸展により放出される内因性弛緩物質であり、排尿筋の自発収縮を強く抑制する一方で副交感神経性の排尿収縮を抑制しない。PTHrPによる排尿筋自発収縮抑制のメカニズムを大コンダクタンスカルシウム活性化カリウム(BK)チャネルに着目して検討した。単離したラット排尿筋細胞を用いた穿孔パッチクランプ法により、PTHrPはBKチャネル開口による自発一過性外向き電流(STOCs)を保持電位-40mVでは増強しなかったが-30mVでは頻度を上昇させた。またPTHrPは脱分極誘発外向き電流に対して、排尿筋の生理的電位変動範囲(-40~+20mV)では影響を与えず、また電位依存性L型カルシウムチャネル電流にも影響を与えなかった。PTHrPは、排尿筋組織標本で発生するバースト状の自発カルシウム濃度上昇を早期に終了させたが、最大振幅やバースト発生頻度には影響を与えなかった。以上より、PTHrPは脱分極条件において、おそらく小胞体からの自発カルシウム放出によりSTOCsを促進して、自発収縮の持続時間および振幅を減少させることが示唆された。 マウス尿道壁内の細動脈平滑筋において、神経性弛緩に対応する神経性細胞内カルシウム減少は、神経性NO合成阻害薬では抑制されず非選択的NO産生阻害により強く抑制されることから、血管内皮細胞におけるNO産生を介することが示唆されていた。パルブアルブミンGCaMPマウスを用いて細動脈内皮細胞の細胞内カルシウム変動を可視化し、神経性アセチルコリンおよびノルアドレナリンを遮断すると、神経性カルシウム上昇が消失することが確認された。すなわち、細動脈平滑筋における神経性の細胞内カルシウム減少は、神経性NO合成阻害薬により抑制されないタイプの神経由来NO放出による可能性が示された。
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[Book] Incontinence 7th Edition, Chapter2: Neural Control and Cell Biology2023
Author(s)
Birder L, Chess-Williams R, Clarkson B, Feng B, Fry C, Gebhart J, Griffiths D, Hashitani H, Kanai A, Lovick T, McCloskey K, Mitsui T, Takeda M
Total Pages
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Publisher
International Continence Society
ISBN
978-0-9569607-4-0