2022 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌におけるIO薬効果予測因子の基礎的・臨床的探索
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20K09574
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
角野 佳史 金沢大学, 医学系, 准教授 (10397218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
泉 浩二 金沢大学, 附属病院, 講師 (80646787)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / 免疫チェックポイント / ケモカイン / TCRレパトア |
Outline of Annual Research Achievements |
画像診断技術や検診の普及により、早期に発見される局所限局腎細胞癌が増加しているが、いまだに進行腎細胞癌は一定の割合で存在している。進行癌に対する治療法として様々なレジメンによる免疫チェックポイント阻害薬が行われ、一定の成果が得られているものの、根治が望める割合は非常に低い。一方で、極めて良好な効果が得られる症例も存在し、その治療効果に関するバイオマーカーの開発は重要な研究テーマである。前年度までに腎細胞癌細胞株の活性化に関与するケモカイン・ケモカイン受容体シグナルをいくつか同定した。また、患者検体から制御性T細胞(Treg)、骨髄由来抑制細胞(MDSC)をフローサイトメーターにて測定したが、予定されていた表面マーカーでは回収が困難であるという事実も明らかになった。そこで本年度は主に、検体採取開始時から本年度までに採取された、進行腎細胞癌の1次治療あるいは2次治療以降において、免疫チェックポイント阻害薬を使用する予定の患者の検体からTCRレパトア解析を行った。αおよびβ鎖の各リード数を測定し、TCRレパトアを評価した。治療前のレパトアにおいては、免疫チェックポイント阻害薬に対する反応性あるいは生命予後における有効症例と非有効症例の間で、明らかな有意な差は認められなかった。特にニボルマブ単剤療法症例においては、治療前のレパトアにばらつきが多かった印象であり、症例数が少ないことも含め、免疫チェックポイント阻害薬が有効な症例の特徴が見いだせなかった原因と考えられた。
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