2021 Fiscal Year Research-status Report
リンパ節抗原提示細胞に着目した新たながん免疫療法の開発
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20K09579
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
矢津田 旬二 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (20749626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神波 大己 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20402836)
菰原 義弘 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40449921)
杉山 豊 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (40709292)
元島 崇信 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60726355)
村上 洋嗣 熊本大学, 病院, 助教 (70735703)
倉橋 竜磨 熊本大学, 病院, 助教 (80867945)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / CD169陽性リンパ洞性マクロファージ / CD8陽性リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ節洞マクロファージ(Lymph node sinus macrophage, LySM)はウイルス感染に対する重要なゲートキーパーでもあることは免疫学・感染症学分野では広く知られている。当教室では、病理学との共同研究で、膀胱癌においてLySMにおけるCD169発現が高い症例ほど癌組織内のCD8陽性リンパ球浸潤が多く、予後も良いことを見出している。 まず、マウスモデルを用いたLySMの重要性を証明するため、CD169- DTRマウスにマウス膀胱癌細胞株を移植し、CD169陽性LySMを除去することで腫瘍の発育がどのように変化するのかを解析した。結果は、CD169陽性LySMを消失させた群では、コントロール群と比べ、有意に腫瘍重量が増加することを確認した。また、移植した腫瘍を免疫染色により病理学的に解析すると、癌組織内のCD8陽性リンパ球浸潤は有意に減少しており、CD169陽性LySMがCD8陽性リンパ球を介して腫瘍の増殖を抑制すると考えられた。 共同研究を行なっている細胞病理学講座では、天然化合物ライブラリーからスクリーニングを行い、CD169の発現を増加させる物質としてナリンジンを同定した。 C57BL/6に膀胱癌細胞株MB49を皮下移植し、ナリンジン投与による腫瘍重量や病理学的所見の変化について解析を行ったところ、有意な腫瘍重量の減少とCD8陽性リンパ球の腫瘍浸潤の増加を認めた。同様の実験をTリンパ球欠損マウスであるヌードマウスで行ったところ、上記の腫瘍重量の減少は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属リンパ節においてどのようなメカニズムで免疫を賦活化しているか、リアルタイムP C Rやフローサイトメトリーを用いて現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
抗PD-L1抗体などのimmune checkpoint inhibitor(ICI)治療モデルをCD169-DTRマウスを用いて実験を行うことで、CD169陽性LySMとICIの関係についても検討する予定である。 天然化合物がin vivoにおいてもCD169の発現を上昇させることで抗腫瘍効果を発揮するのであれば、ナリンジンを追加することでICIの効果がどのように変化するかについても検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナパンデミックによる学会中止(特に海外学会)によって、旅費が必要なかったこと。想定よりも実験消耗品の使用が少なくてすんだこと。以上により次年度使用額が生じた。今後の情勢にもよるが、旅費や実験消耗品の購入にあてる予定である。
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