2023 Fiscal Year Research-status Report
腎癌幹細胞は腫瘍内不均一性を示すか?ー淡明細胞型腎癌の根源的治療法を求めてー
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20K09582
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
近藤 慶一 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (80363836)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Renal cell carcinoma / Single cell / Microenvironment |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年にiScience上で軸屋らとともに報告したように、腎癌症例の手術検体からのSingle cell化そのものはすでに安定して用意できるようにはなった。この報告にある様にSingle cell処理した細胞から核酸を抽出する分には問題はないのだが、Single cell化後の培養課程が安定せず生存率を上げることができていない。昨年度の報告にあげたように酵素カクテルの見直しに加え、各種成長因子の添加や培養チェンバー内のガス組成、温度などを変えてみたのだが、Single cellにした細胞から腫瘍細胞塊を形成させられる確率が低く、さらに長期間の維持ができずに終わってしまう。 またSingle cell化できないままの腫瘍塊をCTOS法を用いて試したが、線維芽細胞や血管内皮細胞を培養した環境への移植に適した形での増殖は成功しなかった。 本来であれば腫瘍細胞だけではなく、その周囲正常組織から線維芽細胞や血管内皮細胞を分離培養し、さらに透明化技術と発光技術を組み合わせることで可視化された腫瘍周囲微小環境を構築する予定であった。腫瘍細胞塊をこの擬似的な周囲微小環境に移植して共培養を行い、腫瘍組織と周囲正常組織の境界面での細胞も挙動をリアルタイムで見ることが目的であったが、そこには未だ長い道のりが残っていると言わざるを得ない。 幸い当教室では年間100例を超える腎癌の摘出が行われており、利用可能な組織の供給には事欠かないため、もう少し安定化を図ることができないかを探索したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近年の3D細胞プリンティングのような特殊な機器を使用することなく、Low costでの実験系開発を続けているが、成長因子などの高騰を受けて、十分な資材を入手することが難しくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 線維芽細胞と血管内皮細胞については既存の樹立された細胞株を代用することで腫瘍周囲環境の構築を図る。 2.資金的に新たな技術を導入することは難しいため現状の技術のブラッシュアップを続けていく
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Causes of Carryover |
<次年度使用額が生じた理由> 1. 予定外の手術延期などにより使用するはずの成長因子などの購入が先送りになった 2. 論文化や学会発表の経費の未使用分が出た <使用計画>引き続き組織検体からのSingle cell培養に必要な成長因子などの購入費用
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