2020 Fiscal Year Research-status Report
T細胞レパトアを組入れた進行性腎細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬選択基準
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20K09585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
水野 隆一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60383824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 修治 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20338180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / レパトア解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は血液から抽出したRNAを用いたT細胞受容体レパトア解析に向けて検体収集および各種圧政の条件設定を目標とした。まずは対象コホートのデータベースを構築した。収集した検体に対応する手術摘出検体のHE染色切片を再評価して組織が腎細胞癌組織であることを確認した。さらにはキットを用いてコントロール血液検体からRNA抽出を行った。プロテインキナーゼKの作用時間をやや長めに設定することでRNAでA260/280値が2.0以上の十分に純度が高い核酸が抽出できることを確認した。さらに、抽出したRNAを用いて逆転写してcDNAを作成しGAPDHを増幅させるプライマーを用いてPCRを行った。結果からは今後のアッセイにも使用できるクオリティであることが確認された。本来は全ての血液検体からRNAを抽出してPCRを行いたかったが、Covid-19流行開始時期に核酸抽出やPCRに関する試薬の購入が困難となり、予定していたアッセイを全て行うことは出来なかった。また、同時に臨床データベースの構築を行った。臨床データベースの解析により本コホートにおけるファーストライン開始から病勢進行までの中央値が13ヶ月、全生存期間中央値が44ヶ月程度であることが明らかとなった。この臨床データベースとT細胞を含む血液を用いたT細胞受容体レパトア解析の結果を組み合わせた解析を今後予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体収集やデータベース構築は予定通りに進めることが出来たが、一時期研究試薬の入手が困難となったため研究の進行が遅延している。予定では収集した全ての血液検体からRNAを抽出してPCRを行うはずだったが、Covid-19流行開始時期に核酸抽出やPCRに関する試薬の購入が困難となり、予定していたアッセイの一部を次年度に繰り越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度はT細胞受容体レパトア解析を組み入れた薬剤別治療効果の検討と新規治療アルゴリズムの確立を目標としている。ヒトT細胞を含む血液からRNA抽出を行い、品質検定を実施する。SMARTer TCR a/b Profiling Kitを用いて高効率な逆転写反応CDR3可変領域全体と3'側の定常領域の一部を低バイアスに増幅して磁気ビーズによるライブラリーの精製およびBioAnalyzerを用いたサイズ・濃度の測定を行う。さらにはMiSeq(Illumina社)によるT細胞受容体の網羅的なシーケンス解析を施行してアライメントおよびV(D)Jセグメント同定、クローンタイプの解析結果生成を行う。最終的には統計処理ならびに結果データの可視化、レパトア多様性の解析結果ならびに各種グラフの生成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
Covid-19流行開始時期に核酸抽出試薬が市場に出回らなくなり、予定していた研究の分を購入できなかったため。また、相次ぐ学会の中止によって学会参加発表が次年度に繰越となったため。
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