2021 Fiscal Year Research-status Report
T細胞レパトアを組入れた進行性腎細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬選択基準
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20K09585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
水野 隆一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60383824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 修治 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (20338180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / レパトア解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、血液検体を用いたT細胞受容体レパトア解析に向け、まずは腫瘍組織を用いたT細胞受容体レパトア解析を行い、現在結果待ちとなっている。組織からのRNA抽出プロトコールは血清検体と同じ内容で行った。抽出したDNAのクオリティ自体には問題なかったことまでは確認されている。また、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の併用療法がファーストライン治療のメインとなってきていることから、1年分のデータベースを更新し、全生存期間および無増悪生存期間が延長していることを確認した。過去データと比較してファーストライン薬物療法による無増悪生存期間延長が全生存期間延長に寄与していることが明らかとなったため、ファーストラインの免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測する因子の同定がさらに重要となったことが確認された。令和4年度は令和2年度に確立した血清遊離RNA抽出プロトコールに従ってRNAを抽出してT細胞受容体レパトア解析を行う予定であるため、施設内の倫理委員会の承認を得た(承認番号2022-1011)。令和4年度はまずパイロット解析として5症例の治療前後のT細胞受容体レパトア解析を行い、アッセイに関する細かな条件設定を行っていく。その後、当科加療中の方々の検体で検討を行う予定である。令和3年度にアップデートした臨床データベースと令和4年度に予定している血液検体を用いたT細胞受容体レパトア解析の結果を組み合わせて生存分析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19流行時期と重なった関係で院内の倫理委員会の承認を得るのが遅れ、予定していた臨床検体を用いたアッセイを次年度に繰り越すこととなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は臨床検体(血清)を用いてT細胞受容体レパトア解析を行い、レパトア多様性の解析結果と臨床データベースと組み合わせた予後予測モデルの構築を目標としている。研究開始時はT細胞をバルクでシーケンスするのがT細胞受容体レパトア解析のメインであったが 、現在はシングルセルT細胞のシーケンスによって個々のT細胞における、TCRα鎖-TCRβ鎖のペアリングを決定することができるようになっている。本研究ではシークエンス方法を変更することにより、より正確なアッセイを行うように修正していく。
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Causes of Carryover |
Covid-19の蔓延に伴い臨床研究に関する倫理申請に遅れが生じた。倫理委員会の承認後にアッセイ用採血を行う必要があったため、主にアッセイに関する試薬費を次年度の解析用予算として繰り越す必要があった。また、国際学会の開催時期の延期もあり、学会参加費を翌年度に繰り越す必要があった。
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