2020 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制ネオセルフ化ペプチドワクチンによる膠原病、産科異常治療法の確立
Project/Area Number |
20K09598
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
笹川 勇樹 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40815304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 秀人 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (40220397)
谷村 憲司 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (80593988)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | β2-グリコプロテインI / MHCクラスII |
Outline of Annual Research Achievements |
MHCクラスII分子と小胞体内のミスフォールド蛋白質の複合体が病因抗原(ネオセルフ抗原)となり、それに対する抗体(抗ネオセルフ抗体 )が自己免疫疾患を引き起こすという新しい病態論が提唱された。さらにペプチド抗原とMHCクラスII分子の複合体(ネオセルフ化ペプチド)をマ ウスに免疫し、抗ネオセルフ化ペプチド抗体を産生させると同抗体がT細胞レセプターとペプチド・MHCクラスII分子複合体との結合を阻害し、 多発性硬化症のモデルマウスにおいて疾患発症を抑制する可能性が示されており、ペプチドワクチンという新しい治療薬として期待される。今回は不育症や産科異常症の原因となる抗リン脂質抗体症候群の新しい治療薬としてペプチド化β2-グリコプロテインIとMHCクラスII複合体に対する抗体を誘導するペプチドワクチンの開発を目指した。 まずはβ2GPIのアミノ酸配列から21個のアミノ酸からなるペプチドを82種類少量ながら作成することができた。作成したペプチドのうちAPS感受性アリルであるHLA-DR7とHLA-DR4とよく結合するペプチドをフローサイトメトリーで検索した。それぞれのHLAアリルでよく提示されるペプチドをそれぞれ選定し、共通しているペプチドのうちより提示されている5種類選定した。選定したペプチドをペプチド合成機械で大量に作成し精製することができた。またβ2GPI以外のaPLの標的抗原についてもペプチド合成の計画を立て、まずはプロトロンビンのアミノ酸配列を調べ、ペプチド合成の計画を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大の影響で、当施設から県外への移動を自粛するように要請された。当研究は大阪大学微生物病研究所で主に行っており、兵庫県からの大阪府への移動が制限されたため研究を予定通り遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はBalb/cマウスに、選定した5種類のネオセルフ化ペプチドのそれぞれで免疫する。免疫によってそれぞれのマウスにTCR様抗体が産生されたかをフロ ーサイトメトリーによって調べる。選定された5種類のネオセルフ化ペプチドのそれぞれで免疫したマウス5種類とPBSのみを免疫したコントロールマウスの全てにFull lengthβ2GPIを免疫してAPSを発症させる。Balb/cマウスにFulllengthβ2GPIを免疫するとAPSを発症するので( MiriBlanketal.J Autoimmun 1994)、免疫した6種類それぞれのマウスにおけるAPS発症率 (APTT延長や血小板減少をAPS発症とする)を 比較して効果のあるペプチドワクチンを選択する。コロナウイルス感染の影響で今後も県外への移動を自粛する可能性もある。そのため当施設でも行える実験は当施設に移し、動物実験に関しても可能な限り当施設で行うことができるように調整していく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大による影響で、県外への移動自粛を当施設より要請された。当研究は大阪大学微生物病研究所で主に行っており、県外への移動が制限されたことから予定通り研究を遂行することができなかった。当初初年度に予定していた解析用の機材の購入(パソコン等)やソフト購入を今年度予定する。
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