2022 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制ネオセルフ化ペプチドワクチンによる膠原病、産科異常治療法の確立
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20K09598
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
笹川 勇樹 神戸大学, 医学研究科, 助教 (40815304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 秀人 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (40220397)
谷村 憲司 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (80593988)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | β2-グリコプロテインI / MHCクラスII |
Outline of Annual Research Achievements |
MHCクラスII分子と小胞体内のミスフォールド蛋白質の複合体が病因抗原(ネオセルフ抗原)となり、それに対する抗体(抗ネオセルフ抗体 )が自己免疫疾患を引き 起こすという新しい病態論が提唱された。さらにペプチド抗原とMHCクラスII分子の複合体(ネオセルフ化ペプチド)をマウスに免疫し、抗ネオセルフ化ペプチド 抗体を産生させると同抗体がT細胞レセプターとペプチド・MHCクラスII分子複合体との結合を阻害し、多発性硬化症のモデルマウスにおいて疾患発症を抑制する可能性が示されており、ペプチドワクチンという新しい治療薬として期待される。今回は不育症や産科異常症の原因となる抗リン脂質抗体症候群の新しい治療薬としてペプチド化β2-グリコプロテインIとMHCクラスII複合体に対する抗体を誘導するペプチドワクチンの開発を目指した。 Balに/cマウスにFulllengthβ2GPIを免疫するとAPSを発症するので( MiriBlanketal.J Autoimmun 1994)、Balb/cマウスにAPSを発症させてAPTTを計測する有意に延長していたためAPTTを判定項目とした。Balb/cマウスに、選定した5種類のネオセルフ化ペプチドのそれぞれで免疫しフローサイトメトリーを用いてそれぞれのマウスにTCR様抗体が産生されたかを確認した。これらのマウスにFulllengthβ2GPIを免疫したがいずれもうまくAPSに誘導できなかった。 β2GPIには5つのドメインがあり、ドメインが一部欠損したβ2GPIを作成した。ドメイン欠損β2GPIがMHCクラスII分子に提示されるかをフローサイトメトリーで確認したところ、ドメイン1とドメイン4がエピトープになっている可能性を発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大の影響で、人員の減少があり研究以外にも臨床に時間を割かざる得なくなり、当初予定していた研究時間を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ペプチドワクチンに関しては引き続きネオセルフ化ペプチドで免疫したマウスにTCR様抗体が産生さ背、APSを誘導させることで効果のあるペプチドを選定していく。β2GPIがMHCクラスII分子に提示されるために必要なエピトープがドメイン1とドメイン4にある可能性があり、実際にどのドメインが必要なのかをウェスタンプロットやフローサイトメトリーを用いて同定していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大による影響で、当施設の人員減少があり、臨床に時間を割かざる得なくなり予定してた研究時間を確保できず研究を遂行することができなかった。また学会参加もオンラインでの参加がほとんどで旅費がほとんど掛からなかった。 解析用の機材の購入(パソコン等)やソフト購入を今年度予定する。
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