2023 Fiscal Year Research-status Report
Application of Artificial Intelligence for Precision Medicine in Ovarian Cancer
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20K09610
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
矢内原 臨 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20349624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 聡 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60256401)
川上 英良 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, チームリーダー (30725338)
森川 あすか 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50569530)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / AI(人口知能) / 患者層別化 / 個別化治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
相同組換え修復機構が正常である卵巣癌に対するPARP阻害薬の効果を高めるため、卵巣癌の標準治療として用いられている血管新生阻害薬であるベバシツマブ(Bev)とPARP阻害薬との併用療法の有用性を検討した。明細胞癌細胞株OVISEを用いて,PARP阻害薬とBevの併用による増殖抑制効果を検討したところ,PARP阻害薬単剤に比較してBev併用では、相同組換え活性に影響を与えることで細胞増殖抑制効果が増強されることが確認された.さらに細胞株を用いた検討より、PARP阻害薬によるDNA損傷により,PI3Kシグナルが活性化され,BMAL1とCLOCKの2量体形成によるCRY1発現が増加することで,相同組換え関連遺伝子の発現が誘導され,相同組換え活性が調節されていることが明らかとなった. 以上より,相同組換え修復機構が正常である卵巣癌において血管新生阻害薬やCRY1阻害薬とPARP阻害薬の併用療法の有用性が期待できると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、予後を含めた臨床病理学的背景が明らかな卵巣癌症例100例(漿液性癌50例・明細胞癌25例・類内膜癌20例・その他5例)、卵巣境界悪性腫瘍症例25例、またコントロールとして卵巣良性腫瘍症例10症例の腫瘍組織検体および末梢血検体が解析対象臨床検体として集積されている。これらの解析対象臨床検体については、凍結検体のほか、各種オミックス解析に対応可能な質の高い核酸(DNA・RNA)の抽出が終了しており、臨床情報などのデータベースと共にバイオバンクとして厳重に保管されている。現在、RNAシーケンシング法による遺伝子発現解析は終了しており、今後AIによる解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題“AI(人工知能)を用いた卵巣癌に対するPrecision medicineの確立”は、卵巣癌患者を対象にオミックス解析により得られた腫瘍検体および末梢血由来リンパ球における遺伝子発現プロファイルからAI技術を用いて解析を行い、病理組織学的診断・治療効果判定・患者予後などの患者層別化につながる予測アルゴリズムを構築できるかを検証するものである。現在、AIを用いた解析を遂行中の段階であり、得られた解析データから臨床的意義のある予測アルゴリズムの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
研究成果の発表や英文校正の費用がかかるため
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