2022 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧症候群の治療方法の開発:プラバスタチンの使用に向けて
Project/Area Number |
20K09613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊澤 惠一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90444546)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / プラバスタチン / 妊娠高血圧腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症候群は、全妊娠の5~10%と頻度の高い疾患でありながら、重症化すれば母児の生命を脅かす。さらに、現在でも根本的治療は妊娠の終了、つまり分娩のみである。 我々は今までに妊娠高血圧症候群のモデルマウスを3種類作製してきた。そのうちの一修理を用い、プラバスタチンが妊娠高血圧症候群を予防薬たりえることを報告してきた。現在世界中でプラバスタチンによる妊娠高血圧症候群の予防のための臨床研究がなされている。しかし、その効果は十分効果があるものから、効果のないものまで様々である。これは、プラバスタチンを投与する時期、期間、投与量などが臨床研究毎に異なるためと考えられる。我々は基礎研究をしてきた強みで、プラバスタチンの投与量、投与期間に関しては他の研究グループに先んじていると考えている。今回さらに、ヒトの胎盤由来の細胞、絨毛由来の細胞、臍帯血管内皮の細胞を用いて、マウスで得た、プラバスタチンの効果を検討することとした。 特に今回、上記3種類の細胞に低酸素条件などの様々な負荷条件をかけることで、プラバスタチンの効果をより深く解析することが出来た。特にヒトの分娩時の初代培養細胞を用いた実験では、ヒト個体間での疾患背景などによる差なども確認することが出来た。今後、妊娠高血圧症候群発症の予防に置いて、適切な投与量をが臨床研究で検索されると考えられるが、今回のデータは投与量を決めていく際に、極めて重要な知見となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回での研究成果を論文発表にまでもっていきたかったが、できずにおり、現在作成中である。それに伴い追加実験等も行うことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
今までに得られた成果を論文発表を準備している。追加の実験も要求されることが想定されており、それも行う予定である。
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Causes of Carryover |
今回、研究自体は十分適切に遂行したと考えられるが、これを成果報告まではできず、児年度に行うことになった。投稿費用として残すとともに、論文掲載までに要求される追加実験のコスト及び発表のための費用が必要であり、それにより使い来ることが想定される。
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