2020 Fiscal Year Research-status Report
An elucidation of the genetic factors among infertile women who may exhibit abnormalities during meiosis
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20K09620
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大月 純子 岡山大学, 生殖補助医療技術教育研究センター, 准教授 (00573031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 減数分裂 / 不妊 / 遺伝子変異 / RNF212 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は減数分裂に関する遺伝子変異を原因とする不妊の解明を目的とし、以下の2つの手法により解析を進めている。 1.変異原性薬剤であるENU(N-ethyl N-nitrosourea)を用いて遺伝子変異を起こしたマウスのうち、減数分裂中の交叉異常のために不妊を呈し、RNF212が原因遺伝子であることが判明しているrepro57雌マウスの卵成熟、排卵、受精、胚発生状態に類似した特長を有する不妊治療中の女性患者を対象に、RNF212遺伝子変異をPCR-サンガー法シーケンスにより解析する。 2.3回以上の体外受精反復不成功患者のうち、成熟卵、受精卵が得られない、前核が3つ異常の多核になる頻度が高いなど、減数分裂に問題があることが予想される患者を対象に、減数分裂に関連する遺伝子のうち、1)組み換えに関する遺伝子(STAG3, MSH5, MLH3)、2)コヒーシンに関連する遺伝子(REC8、SMC1B、SGO1)、3)対合複合体に関連する遺伝子(SYCP3)の変異を次世代シーケンシング(NGS)にて網羅的に解析する。 本年度は2施設の倫理委員会の承認を得た後、対象となる患者の選別を行った。現時点において、予定数の約3割の検体を得て解析が進行中である。一方、repro57雌マウスでは極端な胚発生低下が起こるほか、高頻度に動原体の解離があり、染色体異数性率が高く、さらには卵成熟の遅れがあることが新たに判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2施設の倫理委員会承認を得るまでに時間を要することを想定し、令和2-3年度にかけての遺伝子解析を計画している。承認後は概ね順調にヒト検体が得られ、遺伝子解析が順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
NGS解析により減数分裂に関する新たな不妊原因遺伝子が見つかった場合、その特定の変異が実際に不妊、胚発生異常の原因であるかを確認する必要がある。バイオインフォーマティクス的手法により、その変異の有害度を推定するとともに、CRISPER/CAS9システムを用いたゲノム編集により、同じ変異を持つノックインマウスをi-GONAD法にて作成後、ノックインマウスの採卵・体外受精・胚培養を行い、患者が有する異常の出現の有無を確認する。
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Causes of Carryover |
本研究は2施設の倫理委員会承認を得るまでに時間を要することを想定し、令和2-3年度にかけての遺伝子解析を計画しており、NGSを令和3年度に集中して行うことになったため。
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