2020 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜症の瘢痕形成メカニズムの解明と薬物療法の開発
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20K09622
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 教授 (30274757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 東望子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (20516132)
西田 正和 大分大学, 医学部, 講師 (90404384)
甲斐 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (90457622)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / コラーゲンゲル3次元培養 / cDNAマイクロアレイ / ケモカイン / 瘢痕化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) コラーゲンゲル3次元培養法および収縮能の定量:単層培養した子宮内膜症間質細胞を、子宮内膜症における瘢痕形成の実験モデルとして我々が確立したコラーゲンゲル3次元培養法により培養した。血清存在下での48時間の培養により、浮遊状態のコラーゲンゲルは強く収縮した。このコラーゲンゲルの収縮は、瘢痕化の初期の状態を反映していると考えられている。収縮したコラーゲンゲルをコラゲナーゼで処理して子宮内膜症間質細胞を回収し、RNAや蛋白の抽出を行った。また、対照となる正常子宮内膜間質細胞を用いて、同様の操作を行った。 2)cDNAマイクロアレイによる遺伝子発現異常の網羅的解析:コラーゲンゲル3次元培養後の子宮内膜症間質細胞および単層培養した子宮内膜症間質細胞より抽出したRNAを用いてcDNAマイクロアレイによるmRNA発現の網羅的解析を行う。その結果、子宮内膜症において瘢痕化に伴って発現が変化する未知の遺伝子群を抽出できた。 3)分子生物学的および細胞生物学的検討:cDNAマイクロアレイにより抽出された候補遺伝子群について、まず子宮内膜症で発現が亢進するケモカインに着目し、検討を行った。リアルタイムPCR法、ELISA法を用いて、子宮内膜症間質細胞と正常子宮内膜間質細胞、単層培養とコラーゲンゲル3次元培養、子宮内膜症組織と正常子宮内膜組織におけるケモカインmRNAや蛋白発現の比較を行い、cDNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析の結果と一致することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず最初の検討対象としたケモカインに関する検証は終了し、論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、子宮内膜症の瘢痕化に関与する遺伝子群を抽出し、検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、研究試料の入手が困難となるなど、研究の遂行に一時的な障害が発生した。また、学術集会がオンライン開催となり、出張旅費の支出がなくなった。 次年度は、研究計画に沿って実験を行う予定であり、試薬購入等の物品費として使用する計画である。また、学術集会が現地開催となった際には、出張旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)