2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト胎盤分化成熟機構の解明:分化状態を再現したモデル細胞から分化関連遺伝子の同定
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20K09632
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石原 直恵 (琴村直恵) 藤田医科大学, 医学部, 研究員 (50571791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 悟 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00300723)
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胎盤 / 栄養膜細胞 / 転写調節因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤の主要構成細胞である栄養膜細胞には、未分化栄養膜細胞、分化栄養膜細胞そして合胞体栄養膜細胞と異なる分化ステージが存在する。エストロゲン合成酵素をコードするアロマターゼ遺伝子は、未分化栄養膜細胞で弱く、分化栄養膜細胞で強く発現する。本研究課題では、栄養膜細胞の分化に伴い発現が上昇するアロマターゼ遺伝子に注目し、その発現調節に関わるシスエレメント及び転写調節因子を同定することを目的としている。ヒト胎盤未分化細胞膜細胞のモデル細胞 (JEG-3)を用いたクロマチン構造解析により、アロマターゼ遺伝子の上流に転写調節に関与している可能性のある領域を2箇所見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
JEG-3細胞について、アロマターゼ遺伝子のクロマチン構造をChIP法で解析した。その結果、アロマターゼ遺伝子のプロモーターから5kb及び3kb上流にオープンなクロマチン構造が存在することを確認した。5kb上流域は、転写が活発なチューブリン遺伝子のプロモーター領域と同程度にオープンなクロマチン構造であった。3kb上流域には、胎盤の分化に関わる転写因子TFAP2Cの結合が予測される配列(AP-2配列)が複数存在しており、エンハンサーの特徴であるヒストン修飾(H3K4me1)も認められた。更に、フォルスコリン処理により分化誘導したJEG-3細胞は未処理の細胞と比較して、5kb及び3kb上流域に転写活性化に関連したヒストン修飾(H3K27ac)が上昇していることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回見つかった2つの領域がアロマターゼ遺伝子の転写調節に関与しているかを、ルシフェラーゼレポーターアッセイにより検討する。また、TFAP2Cの3kb上流域への結合をChIP法で検討する。TFAP2Cの過剰発現やノックダウンによりアロマターゼ遺伝子の発現への効果を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、学会出張が中止となったことや、デモが不可能になった機器の購入を取りやめた為、今年度の使用額が少なくなった。
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