2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K09661
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
平川 隆史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80375534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 佳代子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00782319) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再発卵巣癌 / Pin1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pin1は細胞内シグナル伝達のハブとして機能するイソメラーゼである。悪性腫瘍で過剰発現しており、治療標的として創薬が進められている。Pin1は悪性腫瘍の有する様々な生物学的能力を抑制しうる因子と考えられ、従来の治療戦略に対して抵抗性の腫瘍に対する新たな治療戦略になることが期待されている。臨床検体を用いたPin1の免疫染色で、上皮性卵巣癌ではPin1発現を認めるが、組織型によって発現強度が異なることが示された。Pin1発現と予後の相関について検討したところ、漿液性癌においては発現強度と予後の相関は確認されなかったが、明細胞癌・類内膜癌・粘液性癌といった非漿液性癌においてPin1の発現強度が予後不良因子になりうることが示された。非漿液性癌についてPin1によって制御を受けるタンパク質の免疫染色を行った。選定した蛋白について、Pin1発現と相関する因子は同定されず、予後との相関も確認されなかった。上皮性卵巣癌由来の細胞株数種類を用いてPin1を介するシグナル伝達経路と抗腫瘍効果の関連を評価した。Pin1阻害剤によって漿液性癌由来細胞(SKOV-3, KURAMOCHI)において増殖抑制効果が確認された。Pin1阻害剤の効果を増強する因子としてPDE阻害剤を含む因子をスクリーニングしたが、有用な因子は検出されなかった。
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