2021 Fiscal Year Research-status Report
Radiogenomicsに基づく進行再発子宮体癌新規治療薬とバイオマーカー開発
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20K09665
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
津吉 秀昭 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (90593864)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / 分子イメージング / Radiogenomics / 治療バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
進行再発子宮体癌におけるRadiogenomicsの確立と臨床応用に向け、研究実施計画に沿って前年度に引き続き以下の実験ならびに画像解析を行った。①PET装置を用いた分子イメージ技術の、子宮体癌を含む婦人科癌の病期診断における有用性を、糖代謝を反映するFDG PET画像と、同患者の病理学的データとの相関を解析することによって証明し、かつ前方視的にデータを集めて解析中である。②PET装置を用いた分子イメージ技術が、子宮体癌の進行、転移、更には予後を予測するバイオマーカーとなりうることを、女性ホルモン受容体発現を反映するFES PET画像データと、同患者の病理学的データならびに再発・生存を含む予後データとの相関を解析することによって証明し、かつ前方視的にデータを集めて解析中である。③糖代謝を反映するFDG PET画像のRadiomics解析を行うことによって、子宮体癌の進行再発に極めて重要なPI3K-AKTシグナル経路の遺伝子レベルでの活性化の有無を同定しうるという予備実験の結果を、同患者の組織検体を用いた免疫組織化学染色ならびにウエスタンブロッティングを行うことによって、これら予備実験の裏付け、すなわち子宮体癌におけるRadiogenomics解析の有用性を証明することに成功した。現在も引き続き新規子宮体癌患者をにおいて、治療前にFDG PET検査が行われた症例を対象に、PI3K-AKTシグナル経路の活性化と相関する画像パターンを持つ患者の予後を前方視的に追跡し、さらにこれらの患者の残余組織検体を用いてマイクロアレイによる遺伝子解析を行い、実際にこれら遺伝子経路が活性化されていることの証明を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の研究実施計画、”転移再発モデルにおけるRadiogenomicsの有用性をin vitro・in vivoで証明する”において、PET装置を用いた分子イメージ技術が、子宮体癌を含む婦人科癌の病期診断において有用であることを証明し、かつ同技術が、子宮体癌の予後を予測するバイオマーカーとなりうることを証明し、論文発表を行った(J Nucl Med. 2021 May 10;62(5):636-642.)。また、子宮体癌におけるRadiogenomics解析の有用性を、患者の組織検体を用いた免疫組織化学染色ならびにウエスタンブロッティングなどの基礎実験を行うことによってその裏付けに成功した。現在は、前向きに子宮体癌患者の画像データ並びに遺伝子データの収集を行い、症例数を蓄積しin vitro・in vivoでの実験系を確立しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、前向きに子宮体癌患者の画像データ並びに遺伝子データの収集を行うとともに、令和3年度の研究実施計画である、”転移再発モデルにおけるRadiogenomicsの有用性をin vitro・in vivoで証明する”、更には令和4年度の研究実施計画である”転移再発を予測し、かつ予防的治療の効果を確立するための、Radiogenomicsにもとづいた治療戦略を樹立する”を行うための準備を行っているところである。すなわち、予後不良となりうる遺伝子発現と相関する画像パターンを持つ患者と、持たない患者それぞれの癌組織から細胞を採取し、当科ですでに確立した方法により細胞培養・転移動物モデルを作製する(Mizutani. Cancer lett. 2015)。癌の発育・進展を動物用PET装置で経時的に撮像することで画像パターンがどのように変化していくかを観察すると同時に、腫瘍組織も採取し予後不良となりうる遺伝子経路の変化も観察する。これにより、どのタイミングで、どのような遺伝子の変化が、最も癌の転移・再発に影響を与えるかを解明することができ、転移再発を予防する新たな治療標的遺伝子の同定と治療薬開発、そしてこれを予測する画像を用いた治療バイオマーカーの開発につなぐことができると考え、研究を継続中である。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、研究実施計画である”転移再発を予測し、かつ予防的治療の効果を確立するための、Radiogenomicsにもとづいた治療戦略を樹立する”を行う予定であり、マウスの購入、異種移植モデルの作成、あるいは、子宮体癌患者の摘出標本からのマイクロアレイによる遺伝子解析、免疫組織学的検査やウエスタンブロッティングなどにかかる費用が、令和4年度の資金のみでは足りなくなる恐れがあること、また、これらの実験開始が年度末、年度初めと重なってしまったことが、次年度使用額が生じた理由である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Plasma Gelsolin Confers Chemoresistance in Ovarian Cancer by Resetting the Relative Abundance and Function of Macrophage Subtypes.2022
Author(s)
Asare-Werehene M, Tsuyoshi H, Zhang H, Salehi R, Chang CY, Carmona E, Librach CL, Mes-Masson AM, Chang CC, Burger D, Yoshida Y, Tsang BK.
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Journal Title
Cancers (Basel)
Volume: 14(4)
Pages: 1039-1039
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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