2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of metabolic epigenetics and biomarker for preemptive medicine from perinatal period
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20K09672
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増山 寿 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30314678)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 代謝エピゲノム / 子宮内環境 / バイオマーカー / 世代間連鎖 / メタボリック症候群 / 先制医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中の母体過栄養や栄養不足、産科合併症などによる子宮内環境の悪化は,胎児過剰発育または発育不全を生じ、出生児成長後の肥満・メタボリック症候群発症リスクを増加させることが知られているが,この世代間連鎖の実体は十分には解明されていない。 我々は肥満・メタボリック症候群発症を抑制・予防する次世代型の周産期医療の開発に取り組み,世代間連鎖動物実験モデルを独自に開発し,母体肥満によるアディポサイトカイン遺伝子エピゲノムの変化が成長後の肥満・メタボリック症候群発症に深く関与していることを明らかにした。本研究では、糖・脂質代謝遺伝子全体に拡げ検討している。さらに胎盤形成不全モデルマウスを作成し、発育不全胎仔及び胎盤におけるアディポサイトカインに加えて糖・脂質代謝遺伝子全体に拡げて代謝エピゲノムの観点から網羅的に解析している。 ヒト検体にて,子宮内環境のアディポサイトカインを中心に糖・脂質代謝遺伝子発現やエピゲノムへの影響を調べたところ、ヒト臍帯血にて胎児発育異常を伴う妊娠合併症による子宮内環境の悪化によるアディポネクチンレベルやアディポネクチンプロモーター領域のヒストン修飾への影響を認めた。胎盤形成不全モデルマウスを用いた動物実験で認められた代謝エピゲノムの変化もヒト検体で解析中である。さらに周産期データベースを用いて疫学的な観点からリスク因子を抽出し、代謝エピゲノムの観点から検討を加える予定である。 本研究で世代間連鎖のメカニズムに迫り,子宮内環境を反映するバイオマーカーを開発し,ヒトでの先制医療実用化への基盤とするため、引き続き研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな動物実験モデルを導入し、周産期データベースより情報を入手しリスク因子を解析しており、より幅広く研究を展開する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延により,学会出張が制限され旅費の支出が少なかった。次年度の物品費及び旅費として使用予定である。
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