2022 Fiscal Year Research-status Report
内耳メカノトランスダクション欠損マウスを用いたシスプラチン難聴の発症機序の解明
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20K09685
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 慶之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10376759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シスプラチン / 感音難聴 / 内耳有毛細胞 / TMC1 / メカノエレクトリカルトランスダクションチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
シスプラチンによる有毛細胞障害の発症機序の解明、および予防手段の確立のためにex vivoおよびin vivoの実験を進めた。日齢3-4のC57BL/6J野生型マウス、および、メカノエレクトリカルトランスダクション(MET)チャネル欠損遺伝子改変マウスから取りだした蝸牛感覚上皮を外植した。シスプラチン(0/40 uM)に加えてMETチャネル遮断薬であるベンザミル(100 uM)、OCT2阻害薬であるシメチジン(0/400/2000/4000 uM)、およびCTR1阻害薬である硫酸銅(25/50/250/500 uM)にを添加した溶液中で2時間培養した。さらに培養液中で46時間培養した後にホルマリン固定し、抗Myosin VI抗体と蛍光標識二次抗体、およびRhodamine Phalloidinにて染色し、外有毛細胞および内有毛細胞の生存率を定量評価した。METチャネル欠損マウスは野生型マウスに比較しシスプラチンに対し高い抵抗性を示した。ベンザミルとシメチジンは有毛細胞の保護効果を示したが、硫酸銅には有毛細胞の保護効果を認めなかった。シメチジンは、METチャネル欠損遺伝子改変マウスの有毛細胞においても有毛細胞の保護効果を示した。生後18日目のC57BL/6J野生型マウス、およびMETチャネル欠損マウスに、生食またはシスプラチン(20 mg/kg)を腹腔内投与し、72時間後に安楽死させて蝸牛感覚上皮を取り出し、ホルマリン固定し、抗Myosin VI抗体と蛍光標識二次抗体、およびRhodamine Phalloidinにて染色し、外有毛細胞および内有毛細胞の生存率を評価した。現在定量評価を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイル ス感染症流行のため、一時的に実験動物の数を減らすことや、完全にストップすることを余儀なくされたことが影響し、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ex vivoの実験に関しては概ね完了した。in vivoの実験に関してもシスプラチン難聴のモデルマウスの作成法は確立したので、今後nを増やして定量評価を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響を受け遅れている実験計画を遂行する。
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