2020 Fiscal Year Research-status Report
免疫・ストレス応答からみたメニエール病の聴力予後因子の検討
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20K09688
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
青木 光広 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30283302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メニエール病 / 難聴 / 両側化 / MCP-1 / PBMC |
Outline of Annual Research Achievements |
メニエール病は反復するめまい発作ならぶに進行性感音難聴を特徴とした疾患である。内耳内リンパ水腫がその病態として周知されているが、その形成原因は不明である。また、感音難聴の進行や両側化は患者の生活質を著しく低下させる。そうした難聴の進行や両側化の予防法や治療法はいまだ確立されていない。仮説として、難聴の進行とメニエール病の両側化には、いくつかの炎症誘発性プロセスの病因が関連している可能性がある。 そこで、メニエール病37名(両側メニエール病7名、片側メニエール病30名)と健常成人17名を対象に検討した。聴覚障害の進行とメニエール病の両側化には病悩期間と加齢が関連することが報告されている。本研究では悪い側の聴力レベルが年齢と病悩期間と有意に相関することを示した。一方、良聴耳側の聴力レベルは年齢と有意に相関したが、病悩期間とは相関しなかった。メニエール病グループでは、ケモカインである血漿MCP-1は、年齢および良聴耳側の聴力レベル、特に高周波聴力レベルと高い相関があった。しかし、MCP-1は病悩期間とは相関していなかった。さらに、MCP-1は、カロリック試験において、冷気刺激による眼振最大緩徐相速度と負の相関を示した。年齢とMCP-1の間に有意な相関は対照群では見られなかった。本結果は、血漿MCP-1の増加が、年齢や病悩期間とは無関係に、聴覚障害の進行とメニエール病の両側化に寄与していると結論した。 今後はメニエール病症例の血液から培養したPBMCを利用して、MCP-1並びに炎症性サイトカインの発現と聴力との関連性について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の検討課題は終了した。さらに症例数を増加させることも必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はメニエール病症例の血液から培養したPBMCを利用して、MCP-1並びに炎症性サイトカインの発現と聴力との関連性について検討していく。
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Causes of Carryover |
本研究のさらなる検証のため、PBMCを行う費用が必要である。
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Research Products
(1 results)