2022 Fiscal Year Annual Research Report
免疫・ストレス応答からみたメニエール病の聴力予後因子の検討
Project/Area Number |
20K09688
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
青木 光広 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (30283302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20769509)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メニエール病 / 難聴 / 両側化 / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
メニエール病の一部において、NF-κB1、MICA(major histocompatibility complex class I chain-related gene A)、TLR10(Toll-like receptor 10)などの炎症応答に関連性のある遺伝子多型が報告されてきている。さらに、難治性メニエール病に施行されることがある内リンパ嚢開放術時の病理所見で内耳におけるリンパ球活性化や炎症細胞浸潤を認めており、剖検病理では蝸牛血管条の萎縮やらせん靭帯の微小血管障害が報告されている。メニエール病症例ではNF-κBシグナル伝達が亢進しているか、その下流にある単球走化因子であるMCP-1が増加することで炎症性サイトカインTNF-αやIL-6 が上昇し、蝸牛や前庭におけるマクロファージや単球の走化性を促進することで緩徐に進行性の聴力障害や前庭障害をもたらすと考えた。我々は難治性メニエール病例の血漿MCP-1が健常成人に比較し、有意に上昇しており、両側メニエール病例で顕著であることを報告した(Iinuma, Aoki et al. 2022)。MCP-1はその受容体であるC-C chemokine receptor type 2 (CCR2) に結合することにより,効力を発揮する。MCP-1とCCR2は正常血管壁では発現していないが,血管が障害されると,その早期から血管壁細胞で発現が増加する。難治性メニエール病でみられる微小血管障害の存在がMCP-1/CCR2が増加している可能性がある。MCP-1はIL-6やTNFα分泌を増加し、MCP-1/CCR2シグナル伝達が促進する。また、MCP-1、IL-6や血管増殖因子VEGFは転写因子であるsignal transducer and activator of transcription 3 (STAT3) を活性化させることで血管新生やアポトーシスに関与すると考えられる
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Serum fibrinogen level and cytokine production as prognostic biomarkers for idiopathic sudden hearing loss.2022
Author(s)
Okuda H, Aoki M, Ohashi T, Ogawa B, Shibata H, Ueda N, Hayashi H, Nishihori T, Kuze B, Ohnishi H, Ogawa T.
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Journal Title
Otol Neurotol
Volume: 43
Pages: 712-719
DOI
Peer Reviewed
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