2022 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌に対するソマトスタチン受容体の遺伝子導入と新規分子標的治療
Project/Area Number |
20K09697
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金澤 丈治 自治医科大学, 医学部, 教授 (20336374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 教授 (20311938)
伊藤 真人 自治医科大学, 医学部, 教授 (50283106)
佐々木 徹 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50332614)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 遺伝子導入 / G蛋白共役受容体 / 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌は侵襲性が強く進行例の多い腫瘍で外科的治療を中心に放射線治療や化学療法が行われているが十分な治療効果を挙げるに至ってはいない.このため新たな治療法の開発が望まれている.このような治療法の1つとして分子標的治療薬の開発が著しい.分子標的治療薬は乳癌に対するトラスツズマブや悪性リンパ腫に対するリツキシマブでは著明な効果が認められている.しかしながら,頭頸部癌では,上皮成長因子受容体(EGFR)の拮抗薬であるセツキシマブ(Cmab)が保険適応となり治療オプションの1つとなっているが,完全な効果を上げるには至っていない.本研究は,代表的G蛋白共役受容体(GPCR)であるソマトスタチン受容体2型(SSTR2)の頭頸部癌での作用および上皮成長因子受容体(EGFR)との相互作用(クロストーク)を解明し,新たな分子標的治療薬開発を目的とする基礎実験である.応募者らはこれまで, SSTR2が頭頸部癌の独立した予後因子であり,治療標的として有用であることを確認してきた.SSTR2は,情報伝達経路が多彩なため効率よく癌細胞をアポトーシスに導くことができるが,EGFRを介した増殖シグナルを持ち一部の細胞に生存の機会を与える.このためSSTR2を分子標的とする場合には,EGFRを介する増殖シグナルを抑制することが重要である.また,EGFRからGPCRへの機構は抗体製剤であるセツキシマブの耐性化にも関連するため,解明が期待されている.今回得られるSSTR2とEGFRとの相互作用の知識は,新たな頭頸部癌分子標的治療の進歩にも寄与するものと思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験に使用した頭頸部癌細胞の遺伝子導入効率が低いため細胞内での遺伝子コピー数に大きな相違があった.このため結果の再現性に乏しかった.このため遺伝子導入条件を再度検討した.また,細胞の培養条件にも差異があるためできるだけ統一した条件で殺細胞効果を解析すべく条件を最適化するのに時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,再度,条件設定を行い遺伝子導入効率の改善に取り組んでいる.また,発現解析法をウエスタン解析からフローサイトメトリーへの変更も検討している.また,遺伝子導入細胞の細胞の培養条件にも差異があるためできるだけ統一した条件で殺細胞効果を解析すべく条件を最適化している.
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Causes of Carryover |
研究期間延長のため
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