2020 Fiscal Year Research-status Report
降下性縦隔炎の治療法構築と地域包括医療計画への提言:医療ビッグデータを用いた解析
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20K09699
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
日高 浩史 関西医科大学, 医学部, 准教授 (40302103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 大 関西医科大学, 医学部, 教授 (10232638)
たら澤 邦男 東北大学, 医学系研究科, 講師 (30632806)
藤森 研司 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80264539)
小原 拓 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (80612019)
阪上 智史 関西医科大学, 医学部, 助教 (90541722)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 深頸部膿瘍 / 降下性壊死性縦隔炎 / 嚥下障害 / 糖尿病 / 敗血症 / 人工呼吸器 |
Outline of Annual Research Achievements |
深頸部感染症は降下性縦隔炎や敗血症など致死的な合併症や、嚥下機能回復が遅延することがある。今回、医療大規模データを用いて全国レベルでの深頸部感染症における生命予後、術後の経口摂取回復が遅延する因子について分析した。 2012~6年のDPCデータベースからスクリーニングを行い、4949例に対し、死亡退院に関与するリスクについてロジステック回帰分析を行った。さらに生存退院した4791例に対し、経口摂取回復が遅延する因子について解析した。 年齢(75歳以上)、人工呼吸器使用と抗菌薬の使用期間の3つのみが、2つのアウトカムともに統計学的に有意なリスク因子であった。一方、縦隔炎合併、複数回の排膿術は経口摂取回復遅延に対してのみ有意な因子であった。 近年、胸腔鏡での排膿術を併用することで、降下性縦隔炎の生存率が向上していると予想されるが、組織の瘢痕などで嚥下機能回復が遅延するリスクを踏まえた治療プランニングが必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね、順調に解析が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、さらなるサブグループ解析を行い、深頸部膿瘍に伴う嚥下障害の手術法の解析なども検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
高度なワークステーションを購入予定であったが、研究分担者のシステムのプログラムでエクセルへの変換が可能であったため、HP Z Book 15G6 アドバンストモデル(367,400円)の購入で当初に予定の金額より、少なく済んだため、上記金額となった。 今後、統計解析を発展させるにあたり、2021年度以降、機械学習の導入を予定している。また、2021年度、研究分担者にdata管理を依頼するため、同額のパーソナルコンピューターの導入を検討している。
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