2020 Fiscal Year Research-status Report
リキッドバイオプシーに基づく口腔癌の予防的頸部郭清
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20K09710
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 基之 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50632329)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔癌 / リンパ節転移 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
まず後方視的解析として、2017年から収集していた早期舌癌の治療前の血液検体および手術時の原発巣検体を用いて、TCGAで公開されている口腔癌のデーターベースで高頻度に変異を認める7遺伝子をターゲットとしてターゲットシーケンスを行った。ついで、これらの遺伝子変異が血漿中に同定できるか検証した。腫瘍組織をデジタルPCRで測定したところ、7例全例においてターゲットシーケンスで得られた変異とほぼ同様の変異率で検出できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
舌癌20例の原発巣、血液から抽出したリンパ球からDNAを抽出し、コバリスで断片化したDNAからシーケンスラーブラリーを作製し、Miseqを用いてターゲットシーケンスを行った。TCGAのデータベースから81%の症例で変異が検出されると予想されたTP53、FAT1、CDKN2A、NOTCH1、PIK3CA、KMT2D、CASP8の7遺伝子のエクソン領域をターゲットとしたところ、17例(85%)でターゲットとなる遺伝子変異を同定できた(変異率;31-63%)。次いで、7例でこれら遺伝子変異を血漿中に同定できるか検証するため、個々の変異をデジタルPCRで測定するためのプライマープローブセットをデザインした。腫瘍組織をデジタルPCRで測定したところ、7例全例においてMiseqで得られた変異とほぼ同様の変異率で検出できた。 これら症例の治療前の血漿では7例中6例で検出でき、T1N0M0の1例も検出できた。6例のうち術後1週間前後に血漿中の変異が残存したものは3例あり、うち2例でその後再発を認めた。これら2例は術直後に比べ、再発時の血漿中変異コピー数は上昇していた。 現在、ターゲットが確認された残りの10例で同様に血漿中の解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2 . 前 方 視 的 解 析 1) コホートと採血 原発巣切除前および手術後3日目、手術後2週間目、手術後1カ月目、その後は3カ月毎に外 来受診日に経時的に採血を行う。既に症例の集積を開始しており、令和3年度末まで に50例超を集積する予定である。リンパ節再発の有無についての経過観察は令和4年度末ま で行う。従って、最低でも1年間の経過観察期間がある。 2) ターゲットシークエンスによる原発巣の遺伝子変異の同定 3) デジタルPCRによる循環血液中の遺伝子変異(ctDNA)の検出 2)および3)については後方視的解析におけると同様に行う。 4) ctDNAとリンパ節再発の相関性の解析 ctDNAを原発巣切除後のどの時点でも認めない場合、リンパ節再発が生じないこと、一方、 ctDNAを原発巣切除後いずれかの時点で認める場合、リンパ節再発が生じることを確認する
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Causes of Carryover |
次世代シークエンス関連の費用が当初の予想より要したため。
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