2023 Fiscal Year Research-status Report
SEMA7Aを介した好酸球・上皮クロストークによる好酸球性副鼻腔炎制御
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20K09711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 陽平 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00636483)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は治療抵抗性であり、厚生労働省の指定難病である。好酸球浸潤の強い鼻茸を特徴とする。従来型の非好酸球性副鼻腔炎(NECRS)と比較して難治である。今回、患者検体を用いた網羅的解析において、ECRS患者鼻茸でSEMA7Aが高度に発現してた。さらに、興味深いことにSEMA7AはECRS患者好酸球に発現している一方で、NECRS患者や健常者の好酸球には発現していないことが判明した。SEMA7Aはセマフォリンというファミリー分子の一つで免疫学的にも注目を集めている。SEMA7Aの受容体であるintegrinβ1は上皮と好酸球の双方に発現していた。したがってSEMA7Aは好酸球そのものと上皮の双方に対して働いている可能性が示唆されている。定量PCRでECRSおよびNECRSの部位別のSEMA7Aの発現を確認したところ、NECRSでは発現を認めず、polyp>中鼻甲介>下鼻甲介で発現を認め、ECRSの主たる病変であるpolypにおいて強く発現していた。免疫染色を施行したところ、主に好酸球に発現していた。SEMA7AはECRS患者好酸球において強く発現していた一方で、NECRS患者好酸球では発現を認めなかった。ECRS/NECRSの好酸球、気道上皮の細胞株のいずれにおいてもIntegrinβ1のみが発現していた。これらの実験の確認を行うとともに、ヒト検体でも同様の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体の収集などでやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状ではヒト検体も順調に集まっている。さらにデータを集積させる。
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Causes of Carryover |
ヒト検体の遅れにより、研究計画に遅れが生じたため
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