2021 Fiscal Year Research-status Report
神経栄養因子を用いた顔面神経再生治療における病的共同運動の検討
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20K09714
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山田 啓之 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00403808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇坂 浩之 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (30304611)
木村 拓也 愛媛大学, 医学部附属病院, 専攻医 (40792502) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 病的共同運動 / Misdirection / 顔面神経麻痺 / 再生治療 / 神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度顔面神経麻痺の治療として近年、再生医学を応用した新たな治療法(再生医療)の開発が行われ、神経栄養因子投与による再生医療の軸索再生の効果が証明されてきた。一方、高度麻痺に陥ると後遺症である病的共同運動が出現し、目や口が同時に動くようになる。そのため不自然な笑顔となり患者の精神的苦痛は生涯続き、QOLは低下する。再生医療の臨床応用が期待されてはいるが、神経栄養因子投与による再生医療が病的共同運動に与える影響を検討した研究は皆無である。本研究では顔面神経麻痺に対する再生治療が病的共同運動に与える影響について明らかにすることを目的としており、本研究は再生医療を臨床応用していくために重要な意義を持つ。 本研究では冷却障害で高度麻痺を生じた動物モデルで無治療群と再生治療群で比較する。機能評価として、咀嚼運動時の病的共同運動を動画記録し、眼瞼比(咀嚼運動時の患側瞼裂/健側瞼裂)を検討し、電気生理学的評価としてBlink Reflex検査を施行する。また組織学的評価として2種類のretrograde fluorescenttracerを眼輪筋と口輪筋に注入し、蛍光で標識された神経細胞の分布を定量評価する。これまで電気生理学的評価としてのBlink Reflexを行い、病的共同運が出現していることを確認した。またretrograde fluorescent tracerとしての評価を行っている。当初はフルオロルビーとデキストランを使用していたが、神経切断を要するため、DiIとDiOに変更した。また、より詳細な評価を可能とするために先端バイオイメージング支援プラットフォームに依頼し、バイオイメージングの支援をいただいている。現在、脳幹の透明化および二光子励起顕微鏡(NIKON A-1)を用いた顔面神経核の評価を行っており、NISソフトにて局在分布の評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、実験可能日が減少したこと、機器の購入および納入に時間がかかったため研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ購入できていない機器もあり、新型コロナウイルス感染症が終息しだい可及的に機器の購入を行い、実験を進めていく。また引き続き脳幹の透明化技術と二光子励起顕微鏡とNISソフトを用いた評価を行っていく。レーザードップラー振動測定装置も購入しアブミ骨筋の収縮やアブミ骨の計測も行っていく。
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Causes of Carryover |
基盤C・独立基盤形成としてレーザードップラー振動測定装置を購入する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行のため、昨年度は業者立ち合いの購入ができなかった。今年度は感染状況を注視し、購入予定である。
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