2020 Fiscal Year Research-status Report
Activation of upper respiratory mucosal immune response by immune checkpoint inhibitors
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20K09717
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 隆 大分大学, 医学部, 講師 (20305056)
川野 利明 大分大学, 医学部, 助教 (30633424)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PDL-1 / 免疫老化 / インフルエンザ菌 / 上気道 / 粘膜免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年令BALB/cマウスを用いて検討を行った。まずは、経時的な免疫応答に対する変化を観察するために、1年令マウスにインフルエンザ菌由来の外膜蛋白(OMP)を用いて免疫を行なった。各マウスから、鼻粘膜組織、頚部リンパ節、脾臓を採取して、鼻粘膜組織はコラゲネース処理を行い、他の組織はスチールメッシュ処理により細胞レベルまで組織を粉砕している。鼻粘膜組織においてはパーコールによる2層比重遠心法により単核球を採取しており、頚部リンパ節、脾臓などのリンパ組織はスチールメッシュ処理で得られた試料を用いて解析を行っている。得られた試料は、T細胞の解析を行うため、各組織から採取した単核球を蛍光標識したFITC標識抗マウスCD3a抗体Pacific Blue標識抗マウスCD4抗体、PE- Cy7標識抗マウスCD8a抗体 (全てBioLegend社、CA、USA)を用いて単核球を染色し、T細胞の分画について検討を行った。次に同様に1年令マウスを用いてOMPによる経鼻免疫を行い、粘膜免疫を賦活化するが、抗PDL-1抗体を免疫直前と免疫後3日目に250μg投与した群を作成した。各試料から得られた単核球数においては、投与前後に伴う変化はあまり認められなかった。しかし鼻粘膜組織においては、抗PDL-1抗体投与群では、CD3陽性であるTリンパ球が明らかに増加し、CD4陽性ヘルパーT細胞が著明に増加していた。CD4-CD8-細胞は明らかな減少を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗PDL-1抗体投与に伴う変化について、鼻粘膜組織、頚部リンパ節、脾臓での解析を行っており、1年令マウスのように加齢にともなう免疫系の免疫老化について報告されているが、今回の実験経過においては、抗PDL-1抗体投与により、Tリンパ球の増加と共にヘルパーT細胞が増加することにより、上気道粘膜免疫に関わるT細胞において粘膜免疫における応答を賦活化させる作用が示唆された。今後は加齢に伴う鼻腔洗浄液、肺胞洗浄液や中耳におけるインフルエンザ菌クリアランスにおける影響について検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
加齢BALB/cマウスを用いて、中耳粘膜、鼻粘膜組織(関連リンパ組織含む)、肺臓、頸部リンパ節、脾臓を採取し、上記組織において、コラゲネース処理や比重遠沈法などにより単核球を採取して、CD4、CD8陽性T細胞においてCD69、CD25、CD62L、CD44などの活性化マーカーにてTリンパ球の状態や、B220陽性B細胞、CD11b陽性顆粒球、CD11c陽性樹状細胞などの活性化についても解析し、セルソーターを用いて各臓器よりT細胞分離後にRNAを抽出し、innate and adaptive immune responses PCR arrayを施行し、Tリンパ球のカスケードをRNAレベルから解析し、免疫応答でのカスケードの解明および細胞内シグナル伝達の解析を行い、抗CTLA-4抗体、抗PDL-1抗体投与後の免疫誘導の変化した因子について解明する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染の流布に伴う物流の停滞があり、実験試薬などの購入に制限があったため次年度使用額が生じた。 少額なため、論文校正や文献収集などに使用する。
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