2022 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌に対する免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカー探索
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20K09724
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
熊井 琢美 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00596306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原渕 保明 旭川医科大学, 医学部, 名誉教授 (80208686)
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90280867)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは頭頸部癌における免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカー探索を、患者由来の末梢血単核球や血清を用いて多角的に行ってきた。末梢血単核球を特定のエピトープペプチドで刺激した結果、免疫チェックポイント阻害薬に反応する群では頭頸部癌関連抗原由来ペプチドへのTh1応答が有意に増強することが見出された。同定した頭頸部癌関連抗原由来ペプチドで刺激したT細胞は、HLA拘束性に直接頭頸部細胞癌細胞株を認識し、同時に殺傷することも明らかとなった。患者由来の末梢血単核球上に発現しているPD-1などの免疫関連分子の発現を解析したところ、多くの免疫チェックポイントは治療反応性との関連は認めなかった。 また、血清学的検討では、リンパ球や好中球、総蛋白質などの栄養マーカーと治療反応性との関連を解析し、複数の血清学的因子が免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーとなることを見出した。網羅的な解析を行うため、血清のサイトカイン/ケモカインアレイを行ったところ、複数の液性因子が治療反応性と相関することが明らかとなった。これらの因子は奏功群において有意に発現が増強しており、バイオマーカーとして有望と考えられた。さらに、同定された因子を標的とした免疫治療法を確立すべく、同定された因子に特異的なT細胞クローンを樹立した。これらのT細胞クローンは頭頸部細胞癌細胞株を直接殺傷可能であり、今回同定した新規因子はバイオマーカーとしてだけではなく、新規治療標的としても有効な可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)