2022 Fiscal Year Research-status Report
Role of TET family molecules in the efficacy of sublingual immunotherapy and development of novel adjuvant
Project/Area Number |
20K09736
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
岡野 光博 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60304359)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 舌下免疫療法 / 免疫寛容 / TET |
Outline of Annual Research Achievements |
舌下免疫療法はアレルギー性鼻炎の根治的治療法であり、アレルゲンに対する免疫寛容の誘導と維持を目的とする。免疫寛容に中心的に働く制御性T細胞の安定性(stability)にTET (ten-eleven translocation) ファミリー分子によるエピゲノム修飾が強く関与する。本年度は、舌下免疫療法によるTETファミリー分子の発現誘導とその臨床的意義を検討した。対象は舌下免疫療法を施行したスギ花粉症患者 (n=16)である。舌下免疫療法前および施行1シーズン後(スギ花粉飛散後)に採血を行い、末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、さらに磁気ビーズ法により制御性T細胞(CD25+CD4+CD127dim/-細胞)を分離した。本細胞のTET1,TET2、TET3のmRNA発現量をリアルタイムPCRにて測定した。PBMCはCry j 1(スギ花粉主要抗原)刺激にて72時間培養した。細胞を回収しTET1,TET2、TET3のmRNA発現量をリアルタイムPCRにて測定した。さらに細胞上清も回収し、上清中のIL-10、IL-5、IL-13、IFN-γ濃度をELISAにて測定した。舌下免疫療法によって、PBMCを構成する制御性T細胞上のTET1,TET2、TET3のmRNA発現量には有意な変動を認めなかった。舌下免疫療法施行前、施行後ともにCry j 1刺激によるPBMCのTET1,TET2、TET3のmRNA発現量も有意な変化を認めなかったが、舌下免疫療法施行後のPBMCについてはCry j 1刺激によりTET1 mRNA発現が増加する例を認めた。上清中のサイトカインについては舌下免疫療法施行によりIL-5およびIL-13の有意な低下を示した。一方、IL-5およびIL-13の産生変化量とCry j 1刺激によるPBMCのTET1,TET2、TET3のmRNA発現の変化量との間には有意な相関を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で患者リクルートが難しかったが、何とか16例の患者をリクルートできた。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やすとともに、TET発現変動の臨床的意義について解析を進める。R5年の住花粉飛散期後より舌下免疫療法施行患者より採血を行っており、全部で30例程度の症例の確保を目指している。またTET発現変動の臨床的意義については、スギ・ヒノキ花粉飛散期の症状スコアやQOLスコアを収集している。舌下免疫療法前の症状スコアやQOLスコアと比較して舌下免疫療法後の症状スコアやQOLスコアの低下が50%以上であった群を有効群、50%未満であった症例を非有効群とする。有効群と非有効群との間でTET発現変動に有意な差があるのか検討する。
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Causes of Carryover |
症例数を増やすことと、臨床症候との関連を検討するため
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[Presentation] スギ花粉症における症状スコアの効用値へのマッピングの試み2022
Author(s)
赤松摩紀, 金井健吾, 岡 愛子, 春名威範, 平田裕二, 牧原靖一郎, 檜垣貴哉, 西崎和則, 安藤瑞生, 岡野光博,
Organizer
第2日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会総会
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[Presentation] 関東地区におけるヒノキ花粉症と舌下免疫療法に関するアンケート調査(第一報)2022
Author(s)
岡野光博, 増野聡, 高原恵理子, 金井憲一, 永倉仁史, 中里真帆子, 中里秀史, 荒木進, 熊埜御堂浩, 金井健吾, 岡愛子, 假屋ゆう子, 北村寛志, 杉浦瑠夏,
Organizer
第8回日本アレルギー学会関東地方会