2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K09750
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 邦行 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40452057)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大脳聴覚野 / マウス / イメージング / 時間情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
音の構成要素のうち、言葉の聞き取り(語音認知)には音の時間情報処理が最も大切である。実際、純音聴力検査で同程度の難聴でも語音認知に個々で差があるのは、時間情報処理が正確に評価されていないことが要因の一つと考えられる。これまでの聴覚心理学的研究から、音の時間情報処理は蝸牛で行うことはできず、大脳聴覚野を中心とした聴覚中枢が大きな役割を担っている。また動物でもヒトと同様の音声コミュニケーション、音声信号処理が行われているとされ、大脳聴覚野における音の時間情報処理機能は、種を超えて備わる普遍的なものと考えられる。 我々が日常感知している音は空気の波であり、音の大きさは波の振幅(音圧)、高さは波の数(周波数)、音色は時間変化に伴う波の形状(音波形)によって規定される。音波形の時間変化に伴う振幅の変化を結んだ線を振幅包絡(エンベロープ)と言い、先行研究から、音声認識には搬送波よりもエンベロープの形状が重要であることが重要と考えられている。エンベロープの形状のうち、音の立ち上がり(Rise)が最も音声認識の鍵となると考え、研究を行なっている。また、もう一つ重要な要素として両耳聴効果が挙げられる。片耳より両耳で聞いた方が言葉の聞き取りが良いことは良く知られた現象であり、両耳に入ってくる音の時間差や音圧の違いが音声の認識に重要な役割を果たしていると考えられている。 本研究では音声認識の鍵である音の時間情報検知および両耳聴効果のメカニズムに関して、マウス大脳聴覚野フラビン蛋白蛍光イメージングを用いて検討している。現在のところ、大脳聴覚野にはこれまで知られていた音の周波数が表現されているだけでなく、音のRiseの違いにより活動する神経活動があることを発見している。この神経活動が、加齢によって変化するかの研究も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、大脳聴覚野における音の時間的変化のパターン処理機能を明らかにし、新しい難聴の発見、聴覚検査へと繋げることを目的としている。現在、正常マウス、GCaMP6fノックインマウスを用いて時間変化パターン処理に関する大脳聴覚野機能の解析を行い、想定通りの結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行っている実験を、高齢マウスを対象に行うことで、大脳聴覚野における時間変化検出の加齢性変化の研究を行う。また、2音弁別行動実験を行い、弁別が得られた後の反応変化についての解析を行うことも考慮している。また、片耳から入った情報、両耳から入った情報で、どのような処理の違いがあるか、両耳分離聴の実験も開始している。
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Causes of Carryover |
次年度以降は学会発表、論文執筆に多くの研究費を使用することになると思われる。
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