2020 Fiscal Year Research-status Report
ゼラチンハイドロゲル粒子を用いた細胞積層化による声帯層構造の再現技術開発
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20K09755
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Research Institution | Clinical Research Center Kurashiki Central Hospital |
Principal Investigator |
山田 光一郎 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構(臨床医学研究所 臨床医学研究開発部), クリニカルサイエンスリサーチグループ, 研究員 (60815257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 助教 (80700517)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 声帯 / 上皮細胞 / 線維芽細胞 / ハイドロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、イヌの口腔粘膜から採取した上皮細胞と線維芽細胞を用いて積層シートを作製した。 ①高濃度のゼラチン溶液からゼラチンハイドロゲル粒子を作製することに成功した。 ②全身麻酔下にイヌの口腔粘膜を採取し, 酵素処理を行って上皮細胞と粘膜下の線維芽細胞を分離した。分離培養の手順は水田らによるRabbitでの声帯上皮の分離培養の報告(Mizuta et al. 2017)に基づき行った。それぞれの細胞は別々のプレート上で単培養を行ったところ、いずれの細胞も培養開始から1週間程度で80-90%コンフルエントに達した。上皮細胞はコラーゲンコートされたセルカルチャーインサートに継代し、バリア機能の評価目的にtransepithelial electrical resistance(以下TEER)の計測を行った。継代後4日目以降でTEERは2000程度となりプラトーに達した。防御機構の中心的な役割を担うとされるタイトジャンクションの成熟により透過性が低下し, 抵抗が上昇したと考えられた。またタイトジャンクションの構成蛋白であるZO1やOccludinを用いた免疫染色でタイトジャンクションの発現や重層化構造を観察できたことから上皮細胞のバリア機能が成熟したと考えられた。線維芽細胞はコンフルエントに到達した後, トリプシン酵素に対する反応性の違いを利用しコンタミネーションを除去し再度培養プレート上で単培養を行ったところ、1週間程度で再度コンフルエントに到達した。 ③培養した各細胞を酵素などを用いてシート状に剥離し, それを積層することで積層シートを作製した。細胞へ酸素や栄養が行き届くようにシートとシートの間にはゼラチンハイドロゲル粒子を挟みこみ、積層化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼラチンハイドロゲル粒子を作製し、それを用いることにより、上皮細胞と線維芽細胞の積層化に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
積層化したシートを評価した上で、in vivoの実験系で、自家移植することによる、声帯粘膜の再生効果を検証する。
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Causes of Carryover |
2021年度に予定していた細胞の積層化実験を行うため、前倒しさせていただき、予備実験を行った。予備検討は全て完了しなかったため一部繰越が生じたが、予定通り2021年度に使用する予定である。
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