2022 Fiscal Year Annual Research Report
ゼラチンハイドロゲル粒子を用いた細胞積層化による声帯層構造の再現技術開発
Project/Area Number |
20K09755
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Research Institution | Clinical Research Center Kurashiki Central Hospital |
Principal Investigator |
山田 光一郎 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構(臨床医学研究所 臨床医学研究開発部), クリニカルサイエンスリサーチグループ, 研究員 (60815257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 助教 (80700517)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 声帯 / 上皮 / 線維芽細胞 / ハイドロゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
一度瘢痕化した声帯粘膜は、音声機能を大きく損ない、ヒトの社会生活大きな影響を与える。様々なアプローチから声帯粘膜再生研究が行われてきたが、確立されたものはない。そこで、本研究は、積層した細胞シートを用いて、声帯粘膜の欠損部を被覆することによる、声帯粘膜再生効果を検証することを目的としている。 前年度までに、採取したイヌの口腔粘膜に酵素処理を行うことで、上皮細胞と線維芽細胞を分離し、培養することに成功した。培養した上皮細胞では重層化やバリア機能の成熟が確認できた。また、高濃度のゼラチン溶液から、ゼラチンハイドロゲル粒子を作製することに成功した。培養した上皮細胞と線維芽細胞をシート状に剥離し、ゼラチンハイドロゲル粒子を挟み込み、積層化することで、積層細胞シートを作製することができた。作製した細胞シートをイヌの傷害声帯に移植した。 今年度は、前年度、移植した細胞シートの評価を行った。移植した声帯粘膜は対側声帯と癒着しており、声帯振動は障害されていた。癒着部位を切離した上で吹鳴実験を行い、ハイスピードカメラで声帯振動を観察したところ、比較的良好な声帯振動が確認された。発声時の声門下圧は10cmH2O程度であり、声帯粘膜の萎縮は軽度で声門閉鎖は良好であった。HE染色では非再建側と比較すると細胞がやや密になっていた。アルシアンブルー、マッソントリクローム染色では非再建声帯と比較して、明確な差は認めなかった。
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