2022 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌におけるctDNA検出法の確立および臨床応用
Project/Area Number |
20K09758
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平川 仁 琉球大学, 病院, 講師 (50437993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 太郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00754409)
山下 懐 琉球大学, 医学部, 委託非常勤講師 (60569622)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ctDNA / リキッドバイオプシー / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞は宿主免疫や治療から逃れるため、遺伝子プロファイルを変化させる。また血流、リンパ流に乗って遠隔転移してゆき、上皮間葉転換することにより遠隔 転移が成立する。本研究は頭頸部癌におけるctDNAの有用性を明らかにし、臨床応用を最終目的とする。臨床応用の具体的な内容として、①遠隔転移の予測、② 遺伝子プロファイルに基づいた化学療法薬の選択、③再発および転移の超早期診断である。ただしctDNA採取には克服すべき課題が複数存在する。大きな問題点 は微量であり、血漿中のcell free DNAの中で、ctDNAは0.01%以下で、その 濃度は1~100 ng/mlと低く、腫瘍量を反映している。さらに通常のゲノムDNAと異な り、血中では80~200塩基対程度に分解されておりその半減期は2.5時間と極めて短いため、リアルタイムの腫瘍細胞の情報を反映している。微量なctDNA検出で 正確な結果を得るために試料の収集法と解析前サンプル調製を一定にした。すなわち患者からの血液採取、遠心による血漿分離、血漿DNA抽出、および抽出DNAの 定量を標準化を行った。特に、血漿を遠心分離するまでの時間がサンプルの品質に大きく影響するため、時間を統一した。採血後時間が経過するに従い、ctDNA は崩壊し、さらに血中有核細胞由来DNA量が増加し、相対的にctDNA量が減少する。そのため、採血後 の検体を凍結することなくに血漿の遠心分離を行うプロトコールを作成し、実施可能であることを確認した。 頭頸部上、中、下咽頭癌、喉頭癌、副鼻腔癌症例で、152症例321検体を採取し、ctDNAの採取に成功した。これらにつき臨床経過と照らし合わせ再発の有無に比例して、ctDNAが増減することを突き止めた。また本研究と関連し、内反性副鼻腔乳頭腫の悪性化の研究を行った。
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