2022 Fiscal Year Research-status Report
予後不良HPV関連中咽頭癌の浸潤・転移機構を解明し新たな治療標的とする
Project/Area Number |
20K09759
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
室野 重之 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20345622)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / 中咽頭癌 / 転移 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
検証I「HPV非関連中咽頭癌、matted nodesなしのHPV関連中咽頭癌、matted nodesありのHPV関連中咽頭癌の3群において浸潤・転移に関わる因子の発現を網羅的に解析し、群間での違いを明らかにする。」本研究年度も解析対象となる症例を選定するに終わり、マイクロアレイによるmRNAレベルでの網羅的検討は実施できなかった。 検証II「HPV遺伝子発現の違いがこれらの浸潤・転移に関わる因子の発現に及ぼす影響を明らかにする。」同様に本研究年度もHPV各遺伝子の発現をリアルタイム PCRで検証するには至らなかった。 検証III「検証 IIで得られた結果に該当するHPV遺伝子発現プラスミドを作成し、培養細胞を用いて浸潤・転移に関わる因子への影響を検証し、そのシグナル伝達路を解明する。」検証IIの結果も参考にしなければならないが、HPV遺伝子のうちHPV E5を候補としており、HPV E5蛋白発現プラスミドを作成している。これまで EBV LMP1の形質導入により上皮間葉転換を確認できたヒト気道上皮細胞へHPV E5発現プラスミドの形質導入を試みたが、適切に実施できていない。 検証IV「HPV遺伝子発現の抑制、あるいはシグナル伝達路の阻害により浸潤・転移を抑えられるかについても明らかにする。」本研究年度も、検証IIIの成果が得られおらず、本検証については実施できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究年度も、検証I「HPV非関連中咽頭癌、matted nodesなしのHPV関連中咽頭癌、matted nodesありのHPV関連中咽頭癌の3群において浸潤・転移に関わる因子の発現を網羅的に解析し、群間での違いを明らかにする。」についてマイクロアレイによるmRNAレベルでの網羅的検討は実施できておらず、検証II「HPV遺伝子 発現の違いがこれらの浸潤・転移に関わる因子の発現に及ぼす影響を明らかにする。」においても同様にHPV各遺伝子の発現をリアルタイムPCRで検証するには至らなかった。また、検証III「検証 IIで得られた結果に該当するHPV遺伝子発現プラスミドを作成し、培養細胞を用いて浸潤・転移に関わる因子への影響を検証 し、そのシグナル伝達路を解明する。」においては、検証IIの結果を待たずに以前から着目しているHPV E5蛋白発現プラスミドを作成したが、これまでEBV LMP1 の形質導入により上皮間葉転換を確認できたヒト気道上皮細胞へHPV E5発現プラスミドの形質導入を試みたが、適切に実施できていない。検証IV「HPV遺伝子発 現の抑制、あるいはシグナル伝達路の阻害により浸潤・転移を抑えられるかについても明らかにする。」ついては実施できていない。 以上より遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
検証I「HPV非関連中咽頭癌、matted nodesなしのHPV関連中咽頭癌、matted nodesありのHPV関連中咽頭癌の3群において浸潤・転移に関わる因子の発現を網羅的 に解析し、群間での違いを明らかにする。」および検証II「HPV遺伝子発現の違いがこれらの浸潤・転移に関わる因子の発現に及ぼす影響を明らかにする。」について、臨床検体の選定により、マイクロアレイによるmRNAレベルでの網羅的検討およびHPV各遺伝子の発現のリアルタイムPCRによる検証を推進し、遅れを挽回する。検証III「検証 IIで得られた結果に該当するHPV遺伝子発現プラスミドを作成し、培養細胞を用いて浸潤・転移に関わる因子への影響を検証し、そのシグナル伝達路を解明する。」では、検証IIの結果を待たず、以前から着もしているHPV E5蛋白発現プラスミドのヒト気道上皮細胞への形質導入を成功させ、解析を 進める。その上で、検証IV「HPV遺伝子発現の抑制、あるいはシグナル伝達路の阻害により浸潤・転移を抑えられるかについても明らかにする。」へと進む。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症への対策に加え、他業務のエフォートが想定よりもはるかに大きかったため研究の進展が順調ではなかった。そのため、今年度使用額がなしとなった。期間を延長して研究を遂行するため、次年度使用額が生じた。
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