2021 Fiscal Year Research-status Report
前庭リハビリテーションが静的動的前庭代償に与える効果の基礎医学的エビデンス構築
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20K09760
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
北原 糺 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30343255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡安 唯 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10596810)
伊藤 妙子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60623486)
北野 公一 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70790129)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内耳破壊 / 前庭代償 / ラット / 動物行動学 / 免疫組織化学 / c-fos / MK801 / NMDA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度 めまい平衡障害の動物モデルとしては、現在までラットが用いられることが多かった(Kitahara T et al: Acta Otolaryngol 539: 19-27, 1998)。しかしながら、遺伝子工学的実験系を駆使した今後の研究発展性を考えた場合、マウスを用いてデータを取り直す必要がある(Kitahara T et al: Mol Brain Res 61: 170-178, 1998)。遺伝子工学的実験系を取り入れて研究を進める場合、短時間で十分なマウス内耳組織量を得るために、内耳破壊手技をより簡便化する必要があるため、アルサニル酸の中耳腔投与法を試みた。マウス一側内耳破壊後の単位時間当の自発眼振数を肉眼で計測するのが困難であることから、頭部傾斜角の測定により前庭脊髄系の静的前庭代償の進行を確認した。また自発眼振の推移による静的前庭代償のみならず回転刺激後の前庭動眼反射の回復による動的前庭代償を観察するため(Funabiki K et al: NeuroRep 7: 189-192, 1995)、赤外線カメラ付き頭部固定・回転装置を準備した。マウス一側内耳破壊後の脳幹前庭神経核における神経細胞活動活性化のマーカー遺伝子として、c-Fos以外にもArc、Zifの発現を検索することで(Sato T et al: NeuroRep 8: 1891-1895, 1997)、静的前庭代償の進行を形態学的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究費は小動物を用いた基礎研究を中心に組まれているので、新型コロナの影響により、動物搬入、試薬、処置機器の搬入が遅れたり、中断したりしたため、進捗に少なからず影響を及ぼしたものと考える。しかしながら、昨年度の遅れがそのまま持ち越されただけで、さらなる遅れが生じているわけではない。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス内耳破壊後にNMDA受容体特異的拮抗薬であるMK801腹腔投与する場合、何日目以降で脱代償が生じなくなるか、すなわち何日で動的前庭代償が完成するか、を確認したい。 ラットでは内耳破壊後2週間でNMDA受容体拮抗薬であるMK801を腹腔投与しても脱代償は起こらない、すなわち動的代償は完成されたと考えられるが(Kitahara T et al: Brain Res 700: 182-190, 1995)、マウスで確認はされていない。モデルマウスに対してMK801を投与し、脳幹前庭神経核のc-Fos、Arc、Zifの発現と、赤外線カメラ付き頭部固定・回転装置で自発眼振、前庭動眼反射を記録することで、脱代償の有無を観察、動的前庭代償の完成時期を確認する。
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Causes of Carryover |
新型コロナがまだまだ収束しない中、実験必要機器、試薬、動物の搬入の遅れや中断が生じたため、支出が減少した。また、情報収集のための会議や学会発表は軒並み中止、もしくはリモート会議の場合には旅費や宿泊費が削除されるため、当初考えていた金額以下の支出となった。
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Research Products
(2 results)