2022 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質味覚野における空間的な恒常性維持機構の探求と味覚障害の病態解明
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20K09761
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
田中 康広 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40266648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穐吉 亮平 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80572859)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 末梢性味覚障害 / 自律神経 / 大脳皮質味覚野 / 光ファイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績において以下の結果を得た。 ①末梢味覚障害モデルマウスの他覚的検査の検討 これまでのわれわれの検討において味覚障害モデルマウスを作製することに成功している。このモデルを用いて、行動学による味覚の測定方法以外に自律神経系の機能測定の可能性について検討した。行動学による味覚検査は個体差が大きいため、より鋭敏かつ簡便に行える実験機構を構築中である。自律神経系の測定方法は、反応潜時と反応強度を定量化できるため有用である可能性がある。 ②大脳皮質味覚野を長期的に観察するための光ファイバー観察 大脳皮質味覚野はマウス側頭部に位置し、頬骨弓や血管などの構造などにより頭蓋窓を用いて長期的に観察することが極めて難しいことが知られている。そこで、頭蓋窓を作製せず光ファイバーを挿入することで味覚野の神経活動を直接観察する実験系を構築中である。利点は、皮質の厚みによる観察限界がなくより深部まで観察できること、麻酔を用いず自由行動下での観察が可能となることであり、より生理的な味覚野の活動を可視化できる。Thy1-EGFPマウスにおいて、深部の神経細胞の蛍光輝度を観察することに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大脳皮質味覚野を長期的に観察するためのさまざまな検討を行うことに時間を要した。頭蓋窓の工夫やプリズムなどを用いることは高度な技術を要することから、より普遍的かつ安価な実験系としてこれまでの方法論とは異なる観察手法を構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢味覚障害モデルマウスにおいて、自律神経系の味覚測定法とファイバーによる味覚中枢の観察により、味覚野の神経活動の変容様式と治療後の同細胞群の活動の変容様式を比較する。また、その際の自律神経系の活動と味覚中枢の活動の相関や時間的な代償の差異を検討する。
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Causes of Carryover |
構築した実験系を用いて、現在の実験を継続しさらに複数のデータを取得する必要があるため。 新たに構築した実験系を用いて継続して研究をおこなっていくための、物品・試薬・実験機器に充当する。
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Research Products
(1 results)