2022 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障における、ミトコンドリアを軸とした神経節細胞機能障害の新規生体イメージング
Project/Area Number |
20K09774
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
瀧原 祐史 熊本大学, 病院, 講師 (50640140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 俊洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)
高橋 枝里 熊本大学, 病院, 講師 (60622602)
水野 秀信 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (00567159)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 緑内障 / ミトコンドリア / 経角膜的な網膜生体イメージング / 多色同時励起による網膜生体イメージング / 視神経挫滅モデル / 前房注入による眼圧上昇モデル / 2光子励起顕微鏡 / 網膜循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは緑内障で障害される網膜神経節細胞(RGC)内ミトコンドリアの経強膜的な生体イメージングを確立し、RGCのミトコンドリア障害が緑内障病態に関わっていることを報告した。一方、この経強膜的な網膜生体イメージングには観察が網膜周辺部に限定されるというlimitationがあった。そこで本研究では経角膜的な網膜生体イメージングを検討し、RGCミトコンドリアが標識されているThy1-CFP-MitoSマウスを用いてRGCの細胞体、神経突起を認識できる解像度での経角膜的な網膜生体イメージングを確立した。 RGCのシングルセル標識を実現するため、熊本大学IRCMS水野研との共同研究を開始し、コンタクトレンズでの眼底観察により、マウスへの安定した硝子体注射の系を立ち上げた。CAG-tdTomatoを組み込んだアデノ随伴ウイルスによりRGCを標識できることを生体イメージングで確認した。 RGCを比較的均一に障害するため視神経挫滅モデルを確立し、RBPMSに対する免疫染色を行ったところ、視神経挫滅1週間後に約50%までRGCが減少していた。より緑内障病態を反映している慢性の眼圧上昇を誘導できる前房注入モデルの系も立ち上げつつある。 網膜は全身のなかで最も代謝が活発な臓器のひとつであり、その代謝を網膜循環が支えている。そこでRGC周囲の網膜循環を評価するため、マウスに蛍光デキストランコンジュゲートを用いて血管を標識し、経角膜的な網膜の多色生体イメージングを確立した。 Future planとして、観察目的に応じて、これまでの経強膜的なイメージングに加え、本研究で確立した経角膜的な網膜の多色生体イメージングも駆使し、視神経挫滅モデル、眼圧上昇モデルなどにおける検討により、多因子疾患である緑内障の病態解明、新たな治療法創出を目指す。
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Research Products
(8 results)