2022 Fiscal Year Annual Research Report
滲出型加齢黄斑変性の病態形成に補体レクチン経路が関与する
Project/Area Number |
20K09776
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大森 智子 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50754222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石龍 鉄樹 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00216540)
関根 英治 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40363759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 補体 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性(AMD)の病態形成に、補体第二経路の関与が示されているが、補体レクチン経路と古典経路の関与は不明である。申請者らは、レクチン経路と古典経路での補体成分C4の活性化とレクチン経路の補体因子mannose-binding lectin-associated serine protease (MASP)-2の低値を発見し、滲出型AMDの病態形成への両補体経路の関与の可能性を見出した。 本研究では、AMDにおけるレクチン経路の関与を確かめるべく、レクチン経路固有の補体因子である MASP-1欠損マウスを用いてAMDモデルマウス作成し、その病態解析を行った。AMD様病変モデルとして、ヨウ素酸ナトリウム(NaIO3)誘発網膜障害モデルマウスを作成した。このモデルは、NaIO3をマウス尾静脈より投与し、AMD様病変である網膜障害を誘発するモデルである。NaIO3投与MASP-1欠損マウスでは、NaIO3投与野生型マウスに比べて網膜組織障害の軽減が認められた。このことから、NaIO3誘発網膜障害モデルマウスにおける網膜障害にMASP-1が増悪因子として作用することが示唆された。一方で、網膜における補体成分C3の活性化を評価したところ、NaIO3投与MASP-1欠損マウスでは、NaIO3投与野生型マウスと同程度にC3が活性化していた。このことから、網膜におけるC3の活性化にレクチン経路活性化の寄与は見出されなかった。本研究により、MASP-1がAMD様病変に増悪因子として関与する可能性が示されたが、AMDにおけるレクチン経路の関与については今後さらなる検討が必要と考えられる。
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Research Products
(4 results)