2022 Fiscal Year Research-status Report
Variational Bayesを用いた10-2視野の予測および測定
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20K09785
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
村田 博史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 眼科 医師 (80635748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝岡 亮 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床准教授 (00362202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ベイズ統計 / 緑内障 / 視野 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度においては、Humphrey Field AnalyserのSITA-Fast相当の測定時間となるようにアルゴリズムを調整し(VBLR-VF Fast、およびVBLR-VF Fast+)、SITA-Fastとの比較を行い、global indexには両者に統計学的有意差はなく、同等の視野の出力結果であり、また、SITAFastと比べ、視野検査の時間はVBLR-VF Fastにおいて約30秒(10%)、VBLR-VF Fast+において約80秒(30%)の時間短縮となることを示した。 本年度においては視野の構造のstructure-function relationshipについて検討を行った。一般的に、緑内障が進行すると網膜神経節細胞が減少し、視野が悪化する。従って、正確に視野検査が行われた場合、structure-function relationshipは相関が強くなるはずである。 具体的には原発開放隅角緑内障の56例78眼に対して、SITA標準とVBLR VFの両方を用いてVF測定を行った。また、光干渉断層撮影(SD-OCT)も行った。全視野における視感度と乳頭周囲網膜神経線維層の間の構造機能関係を調べた。この解析は、12のセクター(30度)ごとに繰り返した。構造機能関係の強さは、修正赤池情報量基準(AICc)を用いて評価した。その結果場所によって異なるが、SITA標準とVBLR-VFは類似しているが、全体的にはVBLR-VFがSITA標準よりも優れた構造機能関係を有していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24-2グリッドにおける本研究のアルゴリズムの成果に反し、10-2グリッドの視野検査における本研究のアルゴリズムの進捗は現在停滞している。本アルゴリズムを将来の視野予測に用いて予測誤差を調べると、10-2グリッドでは24-2グリッドに比べて予測誤差が多きいことがわかっている。原因として考えられるは10-2グリッドの視野欠損のパターンの違い、測定点の数の違い、等々である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在10-2グリッドの研究については当初の計画通り行いつつ、24-2グリッドの視野の予測をThe UK glaucoma treatment studyのデータを用い、日本人以外のデータにおける有用性についても検討する予定である。また、structure-function relationshipについて、各々の視野測定アルゴリズム(SITA-Standard, SITA-Fast, VBLR VF-FAST およびFAST+)について比較検討し、視野測定の正確性についての補助的な知見を得る予定である。
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Causes of Carryover |
視野検査の再現性、測定時間等を比較研究する場合、同一患者で長期間、複数回の視野測定が好ましい。1年前に研究代表者の所属機関変更等があり、上記の条件を満たすため、現在緑内障患者の視野測定に関しては北里大学病院の協力で実施している状況である。現時点で研究代表者の所属機関での測定はおこなっておらず、そのため必要経費が生じていない状況である。 今後、本研究に使用したアルゴリズムの改善のため、コンピュータによる計算を繰り返す必要がある。今後の使用計画においては、計算を行うための計算機の購入、およびプログラムのコンパイラの購入等を考えている。
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