2021 Fiscal Year Research-status Report
ぶどう膜炎遷延化に関わるDAMPsとMAIT細胞による炎症制御機構の解明
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20K09792
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長谷川 英一 九州大学, 大学病院, 助教 (70636521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
武田 篤信 九州大学, 医学研究院, 講師 (40560313)
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ぶどう膜炎 / 自然リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベーチェット病やサルコイドーシスなどに伴う非感染性ぶどう膜炎では、炎症が眼のあらゆる部位に波及し視機能低下を引き起こす。治療が奏功する症例もあるが、中には各種治療にも関わらず炎症の再燃を繰り返したり、炎症が遷延化してしまい重篤かつ不可逆的な視機能低下に陥ることがある。炎症により障害を受けた組織からはダメージ関連分子パターン(DAMPs)が放出されさらなる炎症の惹起に関与していると考えられていること、これまでの我々の研究で自然リンパ球細胞であるMucosal associated invariant T(MAIT)細胞の眼内炎症への関与を見出したことから、本研究の目的はDAMPsとMAIT細胞をターゲットにその炎症制御機構について解析し、眼炎症性疾患であるぶどう膜炎の炎症再燃や遷延化を防ぐ新たな治療法の開発へ繋げることとしている。本年は野生型マウスとMAIT細胞欠損マウス(MR1KOマウス, Jα33KOマウス)に実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)を誘導し、各病期における眼内液、眼組織を採取し、炎症性サイトカインやDAMPsの発現量解析を行った。その結果、主要な炎症性サイトカインであるIL-17やIL-10の発現は各マウスで差が見られなかったものの、IL-22の発現量がMAIT細胞欠損マウスで減少していることを見出した。MAIT細胞欠損マウスでぶどう膜炎が増悪することから、MAIT細胞が炎症抑制的に働いていること、MAIT細胞がIL-22を産生することで炎症を抑制している機序が考えられた。実際にマウス眼内でMAIT細胞を活性化させたり、IL-22を眼内に投与することでぶどう膜炎を抑制することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MAIT細胞による炎症抑制機序の一部を解明することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
MAIT細胞を活性化する眼内の抗原について、DAMPsを中心に検索を行なっていく。
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Causes of Carryover |
概ね所要額を使用した。端数残額は次年度研究物品費として使用予定である。
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