2021 Fiscal Year Research-status Report
緑内障視路変性における血液中エクソソーム解析による病態関連バイオマーカーの探索
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20K09793
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
嶋澤 雅光 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (80381721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 学長 (20381717)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 網膜神経節細胞 / 緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、実験的緑内障モデルを用いて緑内障の早期の段階から網膜・視神経から脳の外側膝状体(LGN)を含めた大脳視覚領域までの視覚伝導路である視路に変性が認められることを陽電子放出断層撮影(PET)および磁気共鳴画像(MRI)を用いて明らかにしてきた。さらに、視路変性により網膜・視神経およびLGNにおいて小胞体ストレスが亢進すること、それに伴い分泌タンパク質であるVGF nerve growth factor inducible (VGF)、growth differentiation factor 15 (GDF15)、その他いくつかの因子が変動することを見出した。本研究では、これらの研究をさらに発展させ、①緑内障および視神経軸索障害後の視路変性における血液エクソソーム中のmicroRNAを網羅的に解析、②緑内障視路変性における血液エクソソーム中のタンパク質の網羅的解析、③上記で見出された病態関連因子の視路(網膜・視神経、視交叉、視索、外側膝状体、視放線、一次視覚領域)との比較解析を行うことにより有用な病態関連バイオマーカーを見出す。初年度は、マウス視神経軸索挫滅モデルの血漿エクソソーム中のmiRNAを網羅的に解析することを目的とし、雄性ddYマウスの視神経をピンセットで7秒間圧迫挫滅させることにより視神経軸索変性モデルを作製した。視神経障害を惹起した1, 3, 7, 14日後に採血し、血清を得た。得られた血清から血清用エクソソーム回収試薬を用いて高純度のエクソソームを得た。今年度は、その血液由来エクソソーム中のmiRNAを次世代シークエンスにより網羅的に定量解析した。その結果、軸索挫滅後7日をピークに血液由来エクソソーム中のmiRNA量の有意な変化が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において、マウス視神経軸索挫滅モデルの血漿エクソソーム中のmiRNAを網羅的に解析することを目的とし、雄性ddYマウスの視神経をピンセットで7秒間圧迫挫滅させることにより視神経軸索変性モデルを作製した。視神経障害を惹起した1, 3, 7, 14日後に採血し、血清を得た。得られた血清から血清用エクソソーム回収試薬を用いて高純度のエクソソームを得た。さらに、その血液由来エクソソーム中のmiRNAを次世代シークエンスにより網羅的に定量解析した。その結果、軸索挫滅後7日をピークに血液由来エクソソーム中のmiRNA量の有意な変化が観察された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究概要において述べた目的に従い下記の通り継続して研究を進める。 1.現在より詳細な標的遺伝子探索、GO解析、Pathway解析を進めている。 2. さらに、雄性カニクイザル(3-5kg)の前眼部線維柱帯部にレーザー照射することにより眼房水の排出を障害させ慢性的な高眼圧を惹起させた緑内障モデルサル(6匹)を作製し、レーザー照射前および照射後4、6、8、10週間の血清を採取した。血清はマウスと同様にエクソソームを抽出し、まずはmiRNA解析を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、動物実験の開始が大幅に遅延し、詳細解析が次年度に持ち越しとなったため、次年度においてmiRNAの標的遺伝子探索、GO解析、Pathway解析に使用する。
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