2020 Fiscal Year Research-status Report
角膜上皮治癒後の実質構造の再構築過程でのムチンの機能解析に基づいた新規治療戦略
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20K09796
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
白井 久美 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70326370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ムチン / 角膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
角膜全層切開後の角膜創閉鎖速度と角膜線維瘢痕化に及ぼすMuc16欠失の影響について検討した。 マウスの涙腺には、眼窩外涙腺と眼窩内涙腺がある。マウスを全身麻酔下にて、外科的に眼窩外涙腺のみ摘出し、涙液分泌量が減少していることを確認した。この眼窩外涙腺の外科的摘出マウスをマウスドライアイモデルとした。①野生型マウスー未処置群、②野生型マウスードライアイモデル作成群、③Muc16ノックアウトマウスー未処置群 、④Muc16ノックアウトマウスードライアイモデル作成群の4群を作成した。4群とも右眼を対象とした。 ①~④の4群のマウスに、全身麻酔下で、散瞳剤点眼による散瞳後に、眼手術用のマイクロサージカルナイフを用いて幅約1.8mmの角膜全層切開を行い、角膜実質瘢痕モデルを作製した。角膜全層切開の3日、7日、14日後にマウスを屠殺、眼球摘出、パラフィン固定・包埋し、パラフィン切片を作成した。ヘマトキシリン・エオジン染色を行い角膜実質の癒合・瘢痕化の程度を4群で比較した。4群とも角膜切開創は、3日後では閉鎖しておらず、7日後には閉鎖していた。ヘマトキシリン・エオジン染色における、角膜切開後の創閉鎖、瘢痕部の癒合の状態に差はなかった。さらにα平滑筋アクチンの局在を免疫組織学的手法で調べることにより、筋線維芽細胞の局在について検討した。4群とも角膜切開創閉鎖の瘢痕部分における筋線維芽細胞の局在に差はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックアウトマウスの繁殖状況により使用可能な匹数が限定される。
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Strategy for Future Research Activity |
角膜上皮創傷治癒過程での角膜内知覚神経再生について検討する。 角膜上皮創傷治癒過程での角膜新生血管や角膜リンパ管新生の動向について検討する。 Stat3阻害薬、デキサメサゾン、IL-6抗体局所投与のMuc16欠損マウスでの病態の治療効果について検討する。
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Causes of Carryover |
今年度の物品は購入できた。次年度の物品購入に使用する。
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