2021 Fiscal Year Research-status Report
視細胞サブタイプ依存的な網膜色素上皮細胞の発達と機能低下機構の解析
Project/Area Number |
20K09801
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大西 暁士 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (70569102)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経網膜 / 網膜色素上皮 / 加齢黄斑変性 / 網膜色素変性 / 視細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性(AMD)は加齢に伴い発症する黄斑部の萎縮または変性で、RPEの老化・機能低下より視細胞が障害される。これまでストレス因子(喫煙・紫外線・食生活等)・遺伝的要因等の進行リスクとの関連性に着目した研究が進められているが、視細胞サブタイプの生理代謝特性と発症リスクの関連性については仮説の域を出ていない。我々は、ヒト黄斑の特徴である錐体優位な網膜構造を再現するため、Visual streak部分が錐体優位となるマウスモデルと、全視細胞が錐体視細胞様に変換される遺伝子改変マウスを作製した。錐体・杆体オプシンの抗体染色より上記マウスモデルのRPEが視細胞外節が貪食されている事を確認した後に、網膜色素上皮層の形態学的・免疫組織学的解析を行い下記のような結果を得た。 ①まず、全ての視細胞が錐体視細胞様に変換される新規の遺伝子改変マウスについて組織解析を行い、野生型マウスに比して2ヶ月齢程度でRPEの萎縮を認めた。また、免疫組織化学的解析のにおいて各RPEの発現が不均一である事が分かった。次に、②Visual streak部分のみ錐体優位な網膜構造を持つ遺伝子改変マウスでのRPE形態の経時変化を解析した。錐体優位な網膜構造領域でのRPEの萎縮は10ヶ月齢以降より認められており、18ヶ月齢(老齢)において萎縮が拡大していた。また、③Visual streakマウスに網膜色素変性症モデルマウス(Rd10マウス)のを掛け合わせたマウスの網膜変性過程の経時変化を解析したところ、網膜変性は杆体視細胞優位な周辺部分で進行した。Visual streak部分は10ヶ月齢では変性を認めなかったが、18ヶ月齢(老齢)おいて変性を認めた。視機性眼球反応により視機能を評価したところ、杆体視細胞の変性が進行しいる10ヶ月齢マウスでは野生型マウスと同等の反応が認められた。これらの結果から、Visual streakを持つRd10網膜変性マウスはヒトと同様の網膜色素変性症の病態進行を示す事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響のため、新規マウスの作製・解析が滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現有マウスの老化過程の解析および変動遺伝子解析を進める。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウス作製・解析費用として繰り越し
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