2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of ocular blood flow and association with structure and function in retinal diseases
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20K09802
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
岩瀬 剛 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80642339)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 眼循環 / 糖尿病網膜症 / レーザースペックルフルオログラフィー / 裂孔原性網膜剥離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,眼循環が網脈絡膜疾患の発症・進行に対してどのように関与しているのかを調べることを目的として研究を進めてきた.そのために,レーザースペックルフローグラフィー(LSFG)を血流測定機器として用いてコントロールとなる正常眼のデータを蓄積し,膨大な正常眼データベースを作成した.そのデータベースとの比較により,新しい知見を見出してきた. LSFGを用いて糖尿病による慢性腎臓病患者における網膜微小循環と腎機能との関連について検討を行い,慢性腎臓病ステージ3の糖尿病患者では網膜血流は減少したが,動脈径には変化がみられなかった.このことから初期の糖尿病網膜症では腎機能低下が網膜血流低下に関連している可能性を見出し報告した(Life, 2023).裂孔原性網膜剥離においては,剥離部位の血流動態を調べるために黄斑部において半分が剥離しており,半分が剥離していない症例のみを対象として検討を行なった.OCT angiographyを用いて網膜毛細血管密度を計測し,剥離部位の毛細血管密度が非剥離部位に対してどのように減少し,術後にどのように回復するかを詳細に調べ,さらに剥離部位の毛細血管密度が術後の視細胞の回復との間に有意な相関があることを見出し報告した(Journal of clinical medicine, 2022). 網脈絡膜疾患においてはその他に多くの成果を論文としてまとめることができ,また,前述の糖尿病網膜症や裂孔原性網膜剥離のみならず,多くの種類の網脈絡膜疾患においても眼循環動態の変化のデータを蓄積することができた.これらの結果は順次,学会で報告し,論文として投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網脈絡膜循環の自己調節機能を明確にすることや,正常眼データベースとの比較による網脈絡膜疾患における循環動態の異常を検出することを目的としている. 本年度には,糖尿病による慢性腎臓病患者における網膜微小循環と腎機能との関連について検討を行い,初期の糖尿病網膜症では腎機能低下が網膜血流低下に関連している可能性を見出し報告した.裂孔原性網膜剥離においては,剥離部位の血流動態として毛細血管密度を計測し術後の視細胞の回復との間に有意な相関があることを見出し,報告した.その他,多くの結果を論文としてまとめることができた.さらに他の網膜硝子体疾患についてデータを蓄積することができ,当初の目標を達成できているものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病網膜症において,網膜光凝固を行なった際の眼血流状態,網膜血管径および構造的変化としての網膜や脈絡膜厚については,新たなデータを前向きに蓄積してきたので,それらを解析し,論文としてまとめる. 正常人眼におけるデータベースを拡張し,それを基にして網膜疾患における血流動態をさらに比較検討し,どのような状態になると疾患が発症するのかを解明していくことで網膜硝子体疾患の早期発見や予後を調べる方法について検討を行う.すなわち,糖尿病網膜症のみならずレーザースペックルフルオログラフィーと光干渉断層型アンギオグラフィーを用いて血流動態を同時に調べ,光干渉断層型を用いて形態的変化の検討,視機能などの機能的な変化の検討を行い,それぞれの関連についてデータを解析していく. 正常眼の自己調節機能については,眼圧上昇時のみならず,他の不可として酸素投与時や血圧上昇時などにおいても解明し,学会発表を行い論文としてまとめる.動物実験においてもヒトにおいては負荷を行うことができないような自己調節機能についての研究をすすめていく.
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Causes of Carryover |
本年度では,コロナ禍で人を雇って研究することが難しく,そこに関わる費用である物品費や人件費を使用することができなかった.さらに論文校正費を節約することができたため次年度使用費が大きく生じた.次年度では引き続き,研究に関する物品費,人件費や論文校正費に使用する予定である.
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Research Products
(19 results)