2020 Fiscal Year Research-status Report
眼免疫特権に寄与する分子群と制御性T細胞の解析および移植と眼炎症疾患治療への展開
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20K09813
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 教授 (60251279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 彩佳 日本医科大学, 医学部, 助教 (20804610)
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 講師 (60516045)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント / TIM4 / 角膜移植 / 拒絶反応 / 免疫特権 |
Outline of Annual Research Achievements |
眼内免疫抑制性微少環境の維持と制御性 T細胞の誘導に関与する可能性のある新規免疫チェックポイントであるTIM4分子について、眼内での発現、および分子機能の調節による移植後の眼炎症の制御 のための研究を計画どおりに実施した。初年度は、正常眼、角膜移植片生着眼および拒絶眼において、新規免疫チェックポイント分子であるTIM4の発現と、抗TIM4モノクローナル抗体投与が角膜移植に与える影響を解析した。 マウスの正常角膜は、BALB/cと C57BL/6マウスの眼を用いた。マウス角膜移植モデルは、C57BL/6 ドナーとBALB/c宿主 の組み合わせて角 膜移植手術を行った。生着グラフトと拒絶グラフトにおける CD4陽性T細胞浸潤の定量的解析は共焦点顕微鏡下で解析した。 正常角膜にTIM4陽性の骨髄由来細胞はほとんど存在しないが、角膜移植後3週には、生着角膜にも拒絶角膜にもTIM4陽性浸潤細胞を認め、その数は拒絶眼で有意に多かった。 抗TIM4抗体を投与された宿主では、コントロール群に比して、有意に角膜移植の生着が低下した。抗TIM4抗体投与群の角膜(移植後3週)では、、コントロール群のそれらに比して、有意にCD4陽性T細胞の浸潤が多く、しかも、Foxp3陰性CD4陽性T細胞が有意に多かった。 以上の結果から、新規免疫チェックポイント分子であるTIM4は、正常角膜内の骨髄由来細胞には発現していないが、角膜移植後の浸潤細胞に発現することがわかった。さらに、TIM4は角膜移植後のエフェクターCD4T細胞の浸潤を抑制し、拒絶反応に抑制的な役割をもつことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画どおりに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
仮説と概ね矛盾しない結果が得られたので、当初の研究計画からの変更は必要ないと考える。 研究環境にも問題点や変更点は無いので、次年度も研究計画どおりに実施する方針である。
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Causes of Carryover |
年度末3月の実験動物(マウス)の購入を、翌月に購入する実験日程に変更したため。
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Research Products
(9 results)